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【#創作大賞感想】文学フリマ岩手9 C-6出店福島太郎祭①会津ワイン黎明綺譚

福島太郎さんに

「創作大賞感想を書きますからね」

と約束をしているのに福島作品の感想をまだ一度も投稿していません。

だって、福島さんの投稿速度が速すぎてついていけないのだもん。タイミングを外しまくって7月に入ってからからになるかなと思っていたのですが。

2024年6月16日㈰に開催される文学フリマ岩手9にC-6で出店されると聞き、これはもう木金土は「福島太郎祭」を開くしかないと思いつきました🙌

本日から3日間「福島太郎祭」として3作品の感想文を投稿したいと思います。

本日は「会津ワイン黎明綺譚」の感想文です。

福島さんの小説には常に「やさしさ」がベースにあります。ご本人も「創作の世界だけでもハッピーエンドに」とおっしゃられていたので自然とそうなったのでしょう。もちろん「会津ワイン黎明綺譚」でも「やさしさ」が、いやベースではなく「やさしさ」にあふれていました。

どこから読んでも「やさしい人」が出てきます。私のお気に入りの「ふるさとサポーター」として大活躍する大藤桃子さんも村の人も役場の人も、そして下宿先の熊田農園さんも、全てやさしい人達ばかりです。

ここまでやさしい世界を描いてしまうと「お仕事小説」ではなく「ファンタジー小説」になってしまいそうです。しかし、そうはならないのは福島さんがしっかりと取材をして、その上で想像力をふくらませ小説を執筆しているからだと思っています。

「会津ワイン黎明綺譚」では大藤桃子さんと熊田譲二さんとのピュアな恋愛が描かれています。会津の人ではない大藤桃子さんへの受け入れる側の姿はとても好意的です。現実ではここまで理想的な町おこしの環境は難しいのではないでしょうか。

でも、それが嘘くさくない。

福島県でしっかりと地に足をつけ生活をしながら福島県のことを思い文章を綴る福島さんだからこそ「会津ワイン黎明綺譚」はお仕事小説として成り立っているのだと思います。

この小説には「預かり者、お客さん」という言葉が出てきます。これは福島さんの最新作「銀山町 妖精綺譚」に出てくる「ヨソモノ、ワカモノ」という言葉に通じると感じました。

「預かり者、お客さん」と「ヨソモノ、ワカモノ」はどちらも丁寧な扱いはするけれど「地元の人ではありませんよね?」という軽い拒絶を感じてしまう言葉ではないでしょうか。

それなのに、マイナスのイメージがあるこれらの言葉を福島さんはあえて積極的に使っています。そして物語が終わる頃には主人公は「預かり者、お客さん」「ヨソモノ、ワカモノ」という枠を乗り越え、しっかりと「福島の人」になっているのです。

地元の人へと変化をしていく姿
新しい人と歩む故郷の未来

福島さんの小説を読んで私が「ああよかった」と思えるのは上記の2点が描かれているからだと思います。

新鶴シャルドネと共に「会津ワイン黎明綺譚」を読み、心地良い読書の時を楽しみませんか。トロピカルな味わいのワインはこれからの暑い季節にピッタリだと思うのです。

※初めて「#賑やかし帯」を使わせていただきました。
いつき@暮らしが趣味さんの素敵な発明にただただ感謝しております。
素敵な「#賑やかし帯」をこれからも使わせてください。

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