入浴中に毎日ひとつ、短歌を作る

以前、COTENRADIO短歌コンテストという企画に参加するために、短歌を作ったことがある。
最優秀賞作品に贈られる、金のヤンヤン像という景品が欲しくて参加したのだけど、短歌なんて生まれてこの方一度も作ったことがなかった。

とりあえず、エントリーするためには何かしら作らないといけないので、お題である今まで聴いてきたコテンラジオの内容を思い返し、なんとかひとつ捻り出した。

出来た短歌のクオリティはともかく、エントリーを済ませたその後はもう作るつもりは全くなかったのだけど、そのあともコンテストの期間中、自然と頭の中では常に短歌を作り出そうと考えていた。

特に、仕事中にふと思いつくことが多く、毎日思いついた分だけ投稿していたところ、結果的には14個も作ってしまっていた。

これだけで何かもう充実感のような何かを得られたので満足していたのだけど、投稿したうちの一つが最終選考の10作品に選ばれていることを知り、目を疑った。

最優秀賞には選ばれなかったけれど、結果発表の番組内で自分が作った短歌も詠み上げてもらえて、とても良い思い出になった。

また何か機会があればまた作ってみたいとは思っていたけれど、コンテストが終わってからは新たに短歌を作るようなこともなく、いままでと同じ日常に戻った。

それから少し経ち、みんなのメンタールームというポッドキャスト番組を聴いていると、俳句を作ることに情熱を燃やしているビジネスパーソンからの投稿が取り上げられていた。
以前だったら全く関心のない分野だったけど、先日の短歌作りのこともあり、割と興味深く耳を傾けた。
だけど、結局その時は俳句を作るまでには至らなかった。

続ける思考/井上新八著には、毎日ひとつ短歌を作るという習慣を最近始めたと書いてあった。

読んだとき、これかもしれない、と思った。

本には、忘れてしまいそうな小さな習慣を継続するコツとして、何かと何かのタスクをセットにして行うという手法が紹介されていたので、それに則って考えてみた。

セットにする時のポイントとして、比較的簡単なタスクと、比較的負荷のかかるタスクが良いとのこと。

短歌作りとセットにするタスク・・・何が良いだろうか?

著者のしんぱち。さんは、短歌集を読む事とセットにして短歌を作っていると書いていたけど、自分にはそれすらもハードルが高いと感じてしまう。

・・・風呂に入っているときにするか。

そう決めた。
ちょうど、入浴中に思い立ったので、そのままひとつ作ってみた。

お題もテーマも無いまま始めたけど、クオリティは完全無視!という確固たるスタンスで臨んだため、思いのほかすんなりと出来た。

それから1週間が経過したけど、毎晩入浴中にひとつだけ短歌を作っている。
湯船に浸かった瞬間から始めて、はやい時は1分くらいで出来るが、平均すると大体5分くらいで出来る。

続けていくうちに、その日にあった印象的な出来事、要は日記のようなものが自然とテーマになっていった。
同じような日々を送っていても、意識してみればそれなりに何かネタになりそうなものがあったりする。

出来た短歌はそのまま声に出して詠んで確認し、風呂上りにスマホのメモ帳に記録する。これで完了。

誰かに見せるわけでもない、完全に自分一人だけで完結している取るに足らない小さな習慣、いわば遊びのようなもの。

しかし侮ることなかれ。

この短歌作りを始めたことによって、今まではどちらかと言えば億劫だった風呂に入るという行為が、ほんの少し待ち遠しくなっている。
そんな、自分の中でのちょっとした変化に気付いたりする。

そして、これくらいの小さな習慣を増やしていくことで加算され続けるちょっとした変化の総量は、そのうち馬鹿にできないくらいのものになるのでは?という予感もある。

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