見出し画像

名探偵コナン「100万ドルの五稜郭」感想! キッドの真実から見えてくる「あのお方」の正体! コナン映画にテーマや物語性は必要ないのか?

 こんにちは! 今回は名探偵コナン「100万ドルの五稜郭」についてネタバレありで話していこうと思う。僕はコナンの映画を映画館で観るのは初めてなのだが、結構楽しめた。しかし、エンタメとしての面白さとは別に、コナン映画特有の問題点も見えてしまってのでその辺についても話していこうと思う。それでは初めていこう。

 最近のコナン映画こそあまり追っていなかったのだが、昔はコナンの映画は好きで、よく観ていた。個人的には世紀末の魔術師や、迷宮の十字路などが好きだ。しかし、完全な偏見ではあるが、コナン映画はある時点からミステリーというよりはアクション映画のような作品が多くなったイメージがあり、途中からあまり観なくなってしまったのだ。

 なので今作は久しぶりに観たコナン映画だったのだが、自分が想像していたよりかなり楽しめた。アクションよりちゃんとミステリーやって欲しい派の僕だが、今作のアクションは普通にかっこいいと思ってしまった。小型飛行機の上で戦ったりと、荒唐無稽な所は沢山あるのだが、そういったぶっ飛んだ所も含めて楽しめた。

 そしてなにより、ちゃんとミステリーがメインの話になっていてよかった。今作の刀と北海道の宝を巡る謎解きが、歴史的な要素も絡み、なかなか完成度が高く見応えのある謎解きになっていた。もちろん少しミステリーに詳しい人からすれば、大したミステリーではないと思う人もいるとは思うのだが、コナンという媒体を考えれば、十分だと思った。コナン映画は子供や普段特にミステリーなど観ない一般層も観るコンテンツであるので、あまり凝りすぎたミステリーにしても逆効果である。

 平次と和葉の恋愛要素も、そこまで多く入れられているわけではなく、少なすぎず多すぎずで、それがよかった。あくまで物語の主軸はミステリーであり、アクション要素も恋愛要素も比重が重くなりすぎず、いいバランスで構成されいいて見やすかった。そして今作は登場人物も多いうえに、キッドの目的、平次と和葉の関係、殺人事件にお宝争奪戦と、様々な目的や出来事があり情報量が多い。そのため、常に何かがおこり、スピーディーに状況が変化していくので、退屈しなかった。(逆にとっ散らかってまとまりがない作品と印象を持った人もいるかもしれない)

 このように今作は各要素をバランスよく繋ぎ、エンタメとして面白い作品になっていると思う。しかし見方を変えると、一本の映画として何か大きなテーマがあるわけではないのだ。北海道のお宝が実はもう価値のない暗号機だったりと、一応の宝探しのストーリーとしてのオチはつけているのだが、とりあえず物語としての落とし所を設定しているだけで、その結末に大きなテーマやメッセージ性がある訳ではない。正直観客側も制作者側も、その辺はどうでもいいと思っているように感じた。キットの親父がなぜ北海道のお宝を探そうと思ったかの動機も不明であるし、やはりコナン映画はミステリーやアクション、キャラ萌えなどが重要なのであって、作品としてのテーマや、物語性は特に重要ではないし、求められてもいないのだろう。

 そして一番問題だと思ったのは、キッドの真実の部分である。今作で新一とキッドが実は従兄弟だったという事が明らかになる。確かに原作ファンにとっては嬉しい新事実だと思うのだが、その一方で、今作のストーリーと別に何の関係もない情報なのだ。

 集客のための強いヒキとして、そういった原作でも明らかになっていない情報を映画で先に開示するという手法が使われた。しかし、この映画のストーリーの中でコナンとキッドが従兄弟である事に何か意味がある訳でもないため、この部分だけが不自然に浮いてしまっているのだ。単純にファンサービスとしてはいいと思うのだが、一本の映画作品としてみた時、余計な要素になってしまっている。

 確かにこの原作で出てきていない情報の開示芸は、コナンくらい歴史のある作品ならかなり効果的である。しかし、この先それに頼りすぎてしまうと、作品としての完成度に影響してしまうリスクもあるように感じた。

 僕の今作の感想はこんな所であるが、最後に一つだけ言わせて欲しい、新一の父親(工藤優作)とキッドの父親(黒羽盗一)は兄弟だった訳だが、僕は思った。黒の組織のボスである「あのお方」の正体、絶対薬で若返った優作と盗一の父親、つまり新一とキッドの祖父だろと。真実はいつも一つ🖕

 




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?