騒ぎ立つ雷も遠くなっていく 余韻の雨がなぐさめる庭
浮かんではぼやけていった歌たちが 雷伝い 渡り歩く空
照らされて洗濯物が落とす影 八百屋の顔も季節の変わりめ
色褪せた紫陽花の横通る夏 引き継ぐような華の浴衣ね
六月の雨に打たれて紫陽花の垂れる頭は心にもたれ
喫茶店 流れる話 耳に入れ 出てくるなみだとコーヒーを飲む
初夏の阿蘇、緑野の赤牛揺れる尾は都会の秒針よりゆるやかに