物書きの隣人

本の「様式美」を越えた先に装丁の美学がある|エディトリアルデザイナー 大岡喜直

 あなたが一冊の小説を手に取るとき、そのきっかけは何だろう?「好きな作家の新刊だから」「話題になっていておもしろそうだから」「タイトルに惹かれて」……。さまざまな理由が考えられるが、本好きなら誰しも一度、「装丁に惹かれたから」という理由で本をジャケ買いした経験があるだろう。  作…

「心に埋めたものが流れ出す」小説だからできること|翻訳家 斎藤真理子

3月3日に発表された第9回Twitter文学賞海外部門 、ベスト5の内訳は、アメリカ文学1作品、オーストラリア文学1作品、台湾文学1作品、そして韓国文学2作品だった。2位『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ)と5位『フィフティ・ピープル』(チョン・セラン)は、ともに同じ翻訳家による仕事だ。…

研究とエンターテインメントの相互作用|アイヌ語研究者 中川裕

 おもしろい作品が生まれて、読者のもとに届き、ヒットするまで、尽力しているのは物書きだけではない。作家と併走する編集者、デザイナー、校正者、書店員など、多くの人の手を経て初めて、作品はわたしたちの手元にやってくる。なかには、創作者とはまったく違った角度から、しかし同じくらいの熱量…