庄九郎

耳に入らない“たち”。

ここが、庄九郎的人間の
特徴ともいうべきものである。

庄九郎の同時代でも、
人は「蝮」といって
かげで悪口をいったが、
庄九郎の耳には入らない。

人間の悪口が、
耳に入らない
“たち”の人間なのである。

すくなくとも、
人が悪口をいっている、
などカンぐったり
気にしたり
神経を病んだり
しない“たち”の
人間なのである。

だからこそ、気にしない。

見えざる人の悪罵を

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委ねる。

頼芸
「されば庄九郎、
 人間は死ねばどこへゆく。
 ひとことで教えてくれ」

庄九郎
「そのこと。
 坊主にまかせる。
 任せて考えぬ、
 これがサトリでござりまする」

頼芸
「 任せるだけか」

庄九郎
「その“だけ”に、
 人間到達できれば、
 もはや大覚者でございます。
 死は坊主にまかせる
 まかせて楽しく生を送る、
 それが達人の生き方
 というものでござりましょう」

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