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賑やかにエゾハルゼミが鳴き始めた。よく見ると、羽化したばかりの蝉は薄っすら緑色。「体液が緑色だからね。」と長男。羽根の隅々まで行き渡る彼らの体液が美しく、生きるってこういう感じだ、と心が震えるような感覚を覚える。命を繋ぐために鳴く彼らは美しい。色々あっても世界は美しいのだと思う。

出掛けた先で出逢った、エゾゼミ。 「羽化が上手く行かなかったのかな。」 広がりきらなかった羽根のエゾゼミを、 長男は、掌にそっと乗せた。 眼が、背中の紋様が、美しい。 エゾハルゼミばかりみていたので、エゾゼミがとても大きく感じる。 静かに命を全うできますように。