自転車で野球少年駆け抜ける 日に焼けた風が 夏連れてくる
裸木の寂しくみえる指さきに蕾がともるどうやら春らしい
カッターで切った指先痛くないはずの滲んだ赤は正直
ひとはひと 分かっていても分からない 流れる街の平行人生
シャッターを切る度延びていく余生 現像をする あとさきの日々