人気の記事一覧

◆分節防御の失敗の範例をシェイクスピア「オセロー」にみる。イアーゴーの狡猾で多様な暗示に、オセローはいいように振り回される。オセローはイアーゴーから示唆される諸観念の接続秩序に対抗するすべを持たないからだ。OT「証拠だ!明確にしてくれ」、IG「いいぞ!廻れ廻れ、俺の毒!」

◆(de/co)を含むA→B→C→D…を受けて「ああ、面白かった」というのは単なる鑑賞(暗示直撃)であり、その面白いの理由を吟味省察し、内的構造、連関、相互作用等を解析、すなわち自身の分節体系で対象と切り結び(分節防御)、これを根拠に基づいて明晰な言葉で表現することが批評的鑑賞。

◆分節防御を可能とするのか何か。それは、その人が独自に錬成してきた近位項体系であり、定義上個性的であるほかない。相手は陰に陽に言う「Aの次は当然Bである。君はBを受け入れた。であればCと動くべきである。そのあとはDだ」と。これに対抗する。借り物の近位項体系では到底対峙できない。