ことばスケッチ

[ことばスケッチ]詩:蒼の風景

一点の曇もない 冬の空 きんと冷えた 蒼の空 一点の曇もない 白き雪原 空が残した 蒼い影 ざっくざっくざっく 白の雪原に 無造作に 貴方は残す あしあとを わたしは ただただ 見つめている はずだった でもね ふりかえる貴方の瞳に 貴方が残したあしあとに 空の蒼さが 影を落とす…

[ #ことば展覧会 参加] 詩 ことばスケッチ

言葉ってスケッチ 私には絵が描けない だからことばで絵を描く たとえば 鳶が舞う 透き通った青 すっすっと箒ではらったような白い雲 たとえば 遠くの稜線 白い雪のラインが 蒼の山肌をいろどる 言葉ってスケッチ 私には絵が描けない だからことばで時を描く たとえば 麦の穂 徐々に黄…

ことばスケッチ 5 「疎外」

立食形式の宴席の、隅のほうの丸テーブルのもとへ、彼女がまっすぐ歩いてきた。 深い絨毯に、ヒールを持っていかれることもなく。 彼女が到着すると、丸テーブルの周りの空気が、いきなりがらり入れ替わった。明らかに私とはちがう香りを、彼女は運んできた。卓に片手をついていた彼の瞳孔が、ひと目盛…

ことばスケッチ 4 「境界線」

メイアイカムイン? 交代でピッチに入るときはいつも、誰にも聞こえないボリュームでそうつぶやいてから、タッチラインをまたぐことにしている。 すると右足がピッチの芝に触れる直前、およそ五分五分の割合で、 「どうぞ」 と、どこからか返事が聴こえるんだ。 そのひと声はいつも、たしかな後押しに…