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メタバースとは何なのか?「DECENTRALAND」を通じてメタバースを理解する

Facebookが社名をMeta社に変更したことがきっかけとなり、メタバースという言葉・概念が急速に広まっている。しかし、「メタバースとは何なのか」という問いへの明確な回答は未だ存在していない。それどころか、この言葉を使う人次第でいくらでも解釈が変わるのが現状である。本稿では、現時点で多くの人が考える”メタバース”にもっとも近い『Decentraland(ディセントラランド)』を例に、メタバースとは一体どのようなものなのかを探る。

Decentralandはイーサリアムのブロックチェーン上に構築された3D仮想空間で、プレイヤーは自らのアバターを作成して広大な空間を自由に移動し、他プレイヤーとコミュニケーションを取ることが可能なサービスである。
Decentralandが”メタバースに最も近い”といえる理由は、ブロックチェーン技術を活用することで独自の経済圏を作り上げ、現実世界に存在する経済活動やビジネスを仮想通貨内で再現しようとしているからである。このメタバースのなかで、プレイヤーはポーカーやゲームなどのコンテンツをプレイすることが可能だ。さらに音楽フェスやファッションイベントもDecentraland内で開催されており、現実世界のイベントや経済活動が徐々にメタバース内で実現しはじめている。このようなメタバース内のイベントは現時点では試験段階と呼ぶべきものだが、今後メタバースにおいて何が起こり、人々がどのように関わるのかを示唆している。Decentralandの現状を通じて、メタバースとはどのようなものなのか理解しよう。

本レポートではDecentralandと並ぶ”メタバース”と目されている『The SANDBOX』についても、両者を比較する形で解説する。

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