日記

汗だくで、瓶底眼鏡のまま長い電車に飛び乗って

見えない車窓を眺めながらサンドイッチを頬張って

着いた先には燃える様な紅い景色が待っていた。

自分が美しくないのを少し後悔しながら

全部水で流そうと熱いお湯に浸かって

紅い景色を反芻した。

夜が来て、帰りの電車に飛び乗って

私はコンタクトレンズを目から外して

また瓶底眼鏡をかけ直した。

車窓に映る自分が

やっぱりまだ美しくないと思ったけども

紅い景色が美しかったからそれで良い。


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