婦人科その2

子宮頚がんの検査に引っかかり、定期的に組織診と細胞診を繰り返し、このままではしゃあないからレーザーで焼いちゃおう、というのが1年前。

その後の検査でまたもや引っかかり、1年間同じように細胞診と組織診を繰り返し、しょうがないよねもう一回レーザーで焼いちゃおうか、というのがつい先日のことである。

子宮頚レーザー蒸散術というその方法は、その名の通り、子宮頚をジュジュっとレーザーで焼いてしまう簡単な手術のことである。これで前がん状態の異形成細胞を焼いてなくしてしまおうというわけだ。日帰りでできて、麻酔もないので終わったらそのまま帰れるという忙しい現代人にピッタリの方法と言える。

「前回は子宮頚全部焼いたの。今回は悪い部分は2箇所だけなんだけど、一応また全部焼いておくね」と医師はサラッと言った。

内診台に乗って足を広げる。何回やってもやっぱり嫌だ。手際よく医師がもうレーザーを当てている。ピリピリとした感覚がするからわかる。「今試運転してまーす、大丈夫?」と聞かれた。試運転なら大丈夫。だけど昨日ジムで下半身トレを追い込んだため筋肉痛が酷くて、足を広げているのが辛かった。追い討ちで看護師さんがしっかりと私の太ももを抑えてくれている。イテテ…

「出力上げて」

「20くらいですか?」

「いや25で」

と医師と看護師の会話が聞こえた。前回の経験から、試運転は4だと言うことはわかっている。4で大丈夫って言ったから25まで上げるってなかなかヒドイ。とは言え、この流れも前回と同様なので想定内。

「悪い部分の取りこぼしがないようにじっくり焼いてるからね〜」と医師が言う。30分間焼かれ続けた。広げた足も限界。焼く痛みもそれなりにある。そして1番嫌なのは臭い。肉を焼く臭いがする。肉より魚を焼いたのと同じ臭いがする。それが私の肉を焼いている臭いだと思うと余計に気分が悪くなってくる。前回もそうだがしばらくは焼き魚や焼き肉は食べられなかった。

「終わりました」と医師に告げられ、内診台の椅子が自動で元の位置に戻る。30分もカエルみたいな足になってたので、戻す時も痛かった。

そのまま診察室で注意事項など話してもらい、会計をして病院を出た。つい5分前までレーザーで焼かれていたのにもう病院を追い出されてノコノコ歩いて帰路についていた。ジンジンと痛む感じがしたのでゆっくり歩いた。

今日は頑張ったから美味しいものでも食べようと、スーパーでお寿司を買い、ケーキも買い、カキフライとエビマヨも買った。家に着いて、うちの学生にレーザー手術をしてきた事を話すと、夕飯の支度を手伝ってくれた。買ってきた寿司やお惣菜を並べてくれただけだけどありがたかった。

筋肉痛が酷くて、椅子から立つ時についイテテと口から出てしまう。うちの学生が「今日はあとは俺がやっておくから早く休んで」などと普段は言わない優しい言葉をかけてくれる。多分レーザー手術の影響で痛がっていると思ったのであろう。今さら筋肉痛でとは言い出しにくいのでそのままお言葉に甘えることにした。

ベッドでゴロゴロしながら、嫌なことが終わった安堵感を満喫していた。良かった。また同じようにならないことを祈る。今日は楽しいことだけ考えよう。ポチポチとネットで服を買い、おもしろ動画を視聴し、スヌーピーのパズルゲームをした。

みんなありがとう。

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