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蟻の行列と生きる道

小学生の頃、蟻の行列を眺めることにハマった時期があった。

実家の裏に我が家の敷地と隣の畑の境があり、そこを蟻が行列を作っていた。毎日学校から帰ると蟻の行列を見に行った。蟻は1匹1匹が違う動きをしていた。1匹で餌を運ぶ者もいれば、何匹かで協力して大きな餌を運ぶ者達もいる。ただ何処かへ歩いているだけの者もいる。しかし全員が列から大きく離れることなく止まることなく歩き続けていた。

最近我が家のリビングに蟻の行列ができた。目的地はどうしても分からなかった。蟻達はひたすらに謎の目的地に向かって歩いていた。今は蟻の行列を見つけても夢中で観察することはない。あの頃の私はなぜ蟻の行列を毎日毎日眺めていたのだろう。心が豊かだったのか?心が病んでいたのか?

退職後はしばらく実家で暮らし、蟻の行列を眺めながら暮らしてみようかな。

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