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断捨離しなかったワンピース

誰かが「3年着なかった服は捨てなさい」と言っていた。時々クローゼットや箪笥を開けて、何年も着ていない服を捨てようと考える。しかしなかなか捨てられない。娘が小さな頃は“娘が大人になったら着るかもしれない”なんて理由で捨てなかった。
結局大人になった娘は私の若い頃の服を着たいとは言わなかった。“もしかすると将来自分が着るかもしれない”と考え捨てられない服もあった。

50歳が過ぎ、さすがに終活するため思い切った断捨離をしようと決心した。若い頃買ったコート、ブラウス、スカート、ワンピースなど無心でゴミ袋に詰め込んだ。
それでも捨てられないワンピースが2着あった。お金のなかった若い頃買った私にとっては高価なワンピース。いまいち似合わないと思い、ほとんど着ていなかった。

1年くらい前娘が帰省した時、ワンピースを貸して欲しいと言われ、捨てなかった2着のワンピースを見せた。娘は薄い水色のワンピースを選んだ。少しレトロな水色のワンピースを着た娘の評判は良かった。水色のワンピースは娘のマンションへ引っ越しした。

今年のお盆休みに帰省した長男夫婦が誕生日プレゼントに麦わら帽子をくれた。Tシャツとパンツファッションに麦わら帽子をかぶった私は漫画ワンピースのルフィみ
たいだった。

後日あの可愛い麦わら帽子に一番似合う洋服を考えてみた。そうだ!あの断捨離しなかった緑色のワンピースが似合うかもしれない!と思った。クローゼットから緑色のワンピースを引っ張り出し、アイロンをかけた。30年ぶりくらいに緑色のワンピースを着て、麦わら帽子をかぶってお出かけした。川沿いで写真を撮って貰った。

2着のワンピースを断捨離しなくて本当に良かったと思った。

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