#79 泣いてばかりいちゃNo-No Baby
2023/10/29(日)
SME(サル・ミュージックエンターテインメント)の代表取締役社長のサルに誘われて、ピンクペリカンは「RED ROCKS」というライブイベントを観に行くことになった。
サルはピンクペリカンが知る業界人(猿)の中で最もメジャーな人脈(猿脈)を持っていそうな存在なので、ピンクペリカンは、サルからのお誘いがあったら絶対に断らない、と決めている。
たとえそれが、まるで興味のない事柄であったとしても。
今回のお誘いはしかし、ピンクペリカンにとっては関心MAX、まさにドンピシャ、断るはずもない。
出演に、RED WARRIORS/ ZIGGY/ PERSONZ / RESPECT UP-BEAT、と、ある。
ワクワクした。ティーンエイジャーの頃、聴きまくったバンドが勢ぞろい。
はじめてコピーバンドを組んで練習に励んだZIGGY。
少女マンガから出てきたような色男揃いなのに熱いメッセージのこもった楽曲の数々にシビれたUP-BEAT。
当初のマニアックなインパクトが好きでメタルテープに録音して聴いていたPERSONZ。
わかりやすいのに全然上手く弾きこなせなかったRED WARRIORS。
バンドサウンドとそのシルエットの魅力に心奪われた少年時代、ピンクペリカンの自我覚醒の原風景に、間違いなく彼らは居たのだった。
でも不安もあった。
当時から現在まで現役で走り続けているバンドとは言うけど、年月が経ち、当たり前だけど、当時のままのわけがない。
どんな感じなんだろう??
自分は、どんな感覚で受け止めるのだろうか?
ライブがはじまると、そんな不安が、思いもよらない形で昇華した。
RESPECT UP-BEATの一曲目「Dear Venus」のイントロが流れた瞬間、ピンクペリカンは号泣した。
静かに、胸にこみ上げてくる熱い何かが体中を駆け巡り、涙腺から決壊、濁流になって溢れだした。
今でも、その涙の意味はわからないのだけど。。
PERSONZの「Dear Friends」に至っては、嗚咽までして泣いてしまった。
「泣いてばかりいちゃNo-No Baby」のところで泣いちゃった。ひとーりーじゃーなーいーのーよー。
JILLさんのボーカル、すごい臨場感だった。
ふと隣を観ると、サルの姿はなかった。
会場中央に陣取っているPAと照明のコントロールルーム席で、ちょっと得意気に腕組みしてライブを観ているサルの姿。
さすが業界人(猿)。やっぱり顔がきくんだ。。。
でも大トリの、RED WARRIORSの「MONKEY DANCIN'」では、会場の注目を一手に引き受けながら腰をくねくねさせて踊ってみせた。
さすがだ。。。
セッティングの転換、幕間に進行役のタレントさんが出てきて出演者と掛け合いする趣向もあり、感慨深い言葉も多かった。
特にZIGGYのボーカル森重樹一さんの
「ミュージシャンは、創り続けなきゃダメだ。四の五の言わずに新曲を創る。まずそれがなきゃダメだ。」という主旨の発言がピンクペリカンに刺さった。
ヒリヒリバチバチした80年代当時のサーキットツアーのせめぎ合いの話題なんかをトークしつつ、今日の出演バンドが短い持ち時間を代表曲で埋める中、3曲も新曲を放り込んでシャウトしまくったZIGGYには感服した。
でも代表曲「GLORIA」や「I'M GETTIN' BLUE」で会場に大合唱を起こすなど、キッチリとニーズに応えてもみせた。
大宮ソニックシティでの時間(4時間くらい)、言葉では言い表せない感情がピンクペリカンの胸に去来しまくっていた。
いつの間にかサルとはぐれてしまい、ひとぼっちの帰り道。
自分より少し若い男性客2人組が楽し気に歓談しながらピンクペリカンを追い抜かしていった。
「あの人達はさー、いわゆる大御所演歌歌手みたいにさー、これからはもう代表曲だけやってればいいんだよ。求められてんだからさー。」
「ほんとほんとー。」
そうだろうか?
本当にそうなんだろうか???
その方がいいんだろうか???
ピンクペリカンの頭の中では、UP-BEATの「ONCE AGAIN」が、いつまでもいつまでも、エンドレスで流れている。
…to be continued.
ハシビロコウバンド物語
「第79話 泣いてばかりいちゃNo-No Baby」
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