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『ダンキラ!!!』月光院ノエルがスコーンと紅茶を好む理由。絶対王者の象徴とシアターベルとの対比

12月11日は少年ダンサー育成ゲーム『ダンキラ!!! - Boys, be DANCING! -』に登場するダンサー・月光院ノエルの誕生日。
英国貴族の末裔で、紅鶴学園に編入する前はイギリスで暮らしていた。

好物はスコーンと紅茶。祖母直伝のスターゲイジーパイもよく作っているが、こちらは話が長くなるのでまた別の機会に解説したい。

スコーンといえばイギリスの代表的なお菓子のひとつだ。
紅茶と同様に身近な食べ物だったのだろうと想像がつくが、ノエルがスコーンを好きになった理由はそれだけだろうか。

スコーンのルーツや紅茶からノエルとのつながりを探ってみよう。

※このnoteは個人が趣味で書いたものであり、公式等とは一切関係ない。

王者にふさわしいスコーン

スコーンは、イギリスのスコットランド地方で生まれたビスケットの一種である。
薄力粉、ベーキングパウダー、砂糖、バターなどで作るシンプルな味わいで、クロテッドクリームやジャムを添えて楽しむ。

名前の由来には諸説あるものの、ひとつ興味深い伝承が見られた。

スコットランドの都市・パースにはスコーン宮殿(Scone Palace)がある。
歴代スコットランド国王は13世紀末ごろまでスコーン宮殿で戴冠式を行っており、「the Stone of Scone」と呼ばれる石の椅子に腰かけた。
石の別名は「the Stone of Destiny」。まさに運命を左右する役割を持つ、王者のために用意された石だった。

「the Stone of Scone」を連想させる、石のように素朴な形のビスケット菓子が「スコーン」と名付けられたのも納得がいくだろう。

ノエルが所属するダンキラチーム、エトワールは紅鶴学園の絶対王者。
メンバー内で最年少ながらリーダーを務めるノエルは、まさに王の中の王といえる。
ノエルのために用意されたスコーンは単なるお菓子ではなく、戴冠式で王としての器を象徴した石の役割も果たしているのではないだろうか。

紅茶とコーヒーとダンキラ

ヨーロッパに紅茶文化が伝わると、スコーンは上流階級の間で流行。アフタヌーンティーのお供として愛された。
スーパーセレブだらけのエトワールも、もちろん紅茶派である。

一方、エトワールのライバル的存在であるシアターベルのメンバーはコーヒー派
まるで紅茶文化のイギリスと、コーヒー文化のアメリカを象徴しているようでもある。

紅茶もコーヒーも、もとをたどれば普及の仕方には類似点があった。
原産地では神聖な力を持つ飲料とされ、やがて薬としてヨーロッパなどに伝播。17世紀の大航海時代以降は、原産地を増やそうと植民地の開拓に乗り出す。
次第に嗜好品としての意味合いが強くなり、上流階級の間で流行。その後コーヒーハウスなどは大衆化し、一般にも出回る身近な飲み物になっていった。

イギリスの植民地であったアメリカでも、当初主流だったのは紅茶文化だ。
しかしイギリスが紅茶に多額の税金をかけたため、アメリカでは不満が増大。
1773年には、ボストンに停泊していたイギリスの船から紅茶の箱を次々と海に投げ入れて抗議した。いわゆるボストン茶会事件である。
このボストン茶会事件以降、アメリカではコーヒーが主流に。イギリスからの独立を示す文化のひとつとなった。

バレエとジャズの対比

エトワールとシアターベルが得意とするダンスジャンルにも、紅茶とコーヒーのような関係が隠されている。

エトワールの得意ジャンルであるバレエは、ルネサンス期から続くヨーロッパの伝統舞踊。すべてのダンスの基礎とされ、ロイヤル・バレエ団のように王家や国家も力を入れて取り組んでいる。

一方シアターベルが得意としているジャズダンスは、アメリカで生まれた文化。
西洋の芸術を身に着けた教養層と、アフリカにルーツを持つ人々のリズムやダンスが融合することでジャズが誕生した。
形式や出自にとらわれず自由に音楽を奏でるジャズは、ある種のアメリカン・ドリームに満ちている。

そんなジャズにもバレエやクラシックの要素は取り入れられているため、源流は共通しているといえるだろう。

ルーツは同じでも、どのようにアレンジしていくのかはチーム次第。
2チームの違いを象徴しているのが紅茶やコーヒーであり、王の石であるスコーンを愛するノエルなのかもしれない。

ちなみにスコーンを食べるときはナイフを使わず、手で横半分に割るのがマナーだとか。
英国大使館直伝のレシピも公開されているので、おうちでエトワール流のティータイムを再現してみては。

参考
https://camelia.co.jp/magazine/book/48
https://www.scone-club.com/?mode=f1
https://scone-palace.co.uk/palace-grounds/stone-of-destiny
https://cookpad.com/recipe/2357497
https://www.tea-a.gr.jp/knowledge/tea_history/
https://www.ucc.co.jp/enjoy/encyclopedia/history/popup/w_1773.html
https://www.cairn.co.jp/coffee/history05.html
https://www.kirin.co.jp/entertainment/museum/history/tea/story4b.html

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