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tweet的感想文『THE KNICK:シーズン1.2』2020/10/9

 やる気をもらえる作品。
 今より全然医療が進んでなくて、今僕らが当然のように使っている、滅菌手袋だったり、麻酔も十分ではなく、一つ一つの治療も多くのものが手探り状態で、上手くいかなくて死亡する事も多い。当然ながら現代では考えられない。
 しかし、現代でも変わらないモノは、自らの経験をしっかり記述して論文に発表したり、治療上の課題に対しては、出来る限り文献にあたり、研究・試行し、臨床応用する、という事。
 マニュアルがかなり整備されて深く考える必要性が少なくなっている現在医療において、主人公は薬物を使用してはいるが、その他の登場人物たちも熱意を持って、エネルギッシュに仕事している。この姿は自分にとってはかなり刺激になる。
 また、手術中や病室で急変する場面が多いけれと、その時の演出がかなり好き。
 静かに急変していく患者、静かだけれど切迫感のある音楽。その場面全体を覆っている空気は、医療スタッフの慌て方とは関係なく、間もなく命が無くなるという圧迫感を持った静かさ。大きな音が無いのが重要かもしれない。
 実際の現場でも、危険を予想して心電図などでモニターしているから、けたたましい音がするわけで、一般病床で、モニターしてない、危険を予想してない患者が急変した時は静かに悪くなっている。誰かが気がついてから大騒動になる。この作品ではそんな実際の医療現場の空気感を少し体験できる。
 

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