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あなたには聞こえていますか【ビジネス書】革命のファンファーレ
【読んだ本】
革命のファンファーレ 現代のお金と広告
西野 亮廣
【はじめに】
ファンファーレの起源は中世ヨーロッパに遡り、軍隊や狩猟、式典の際の合図などが元であった。(Wikipedia)
今、世界は大変な危機に襲われています。生活のあり方は毎日のように様変わりしていきます。その中で、鳴り響くファンファーレが、あなたには聞こえているでしょうか。
未知のウィルスとの闘い。このような世界規模の大きな闘いに私たちが参加するようなことはほとんどないけれど、今回ばかりはそうもいきません。私たちの生活にも変化が求められています。
全世界の全人類が闘うこの変化の環境の中で鳴り響いているのは、闘い続ける私たちを鼓舞するファンファーレです。それを鳴らしているのもまた、私たち人類です。こうしている今も、そこらかしこで鳴り響いています。
あなたには聞こえていますか。闘い続ける者らが私たちにもたらそうとしている革命のファンファーレが。
本書を読了する前の私の耳には全くと言っていいほど、聞こえていませんでした。
私と同じような方に、少しでもこの記事を読んで、本書を手に取っていただきたいです。世界の変化に、革命に、乗り遅れてはいけません。合図はもう出されているのですから。
【内容要約】
本書を読んで私が重要だと感じた著者の主張を2つ取り上げます。
①いつの世も優秀なのは年下である
②行動に必要なのは"勇気"ではなく情報である
1つずつ見ていきましょう。
①いつの世も優秀なのは年下である
「今どきの若いもんはこれだから駄目だ......」
今でこそ私生活ではあまり効かなくなった印象が私にはありますが、映画やドラマなんかではいまだによく聞くセリフですね。皆さんはこの言葉に怒りや理不尽さ、ではなく疑問を抱いたことはありませんか?
高度経済成長期の日本では、"継続"こそが美徳とされてきました。年功序列が当たり前、1つの会社に長く勤め、長く働けば偉くなってお金もたくさんもらえる。そんな過去の遺物の1つが、先のセリフなのです。
先のセリフは代々引き継がれ、言われ続けた若者が年を取って今も同じセリフをぼやいています。その意味をくみ取るならば、人間は少しずつどんどん駄目になっていっているということになるのではないでしょうか。
そんなはずはありません。
自然の摂理は"弱肉強食"ではなく"適者生存"だと本書後半でも語られていますが、スケールダウンを繰り返す生き物が生き残るわけがありません。つまり、どんどん駄目になる生物はいつか絶滅して、いなくなるのです。ですが、私たちは今も生きています。それは人間が時代や環境の変化に合わせてアップデートを繰り返してきたからです。
つまり、人間が生きている限り、優秀なのは常に”年下”であり、それは抗いようのない自然界のルールなのです。
若者世代への批判は、そのほとんどが、”進化への乗り遅れ”に他ならないのです。
皆さんは年下を肯定することができているでしょうか。時代の進化に乗り遅れてはいないでしょうか。
②行動に必要なのは"勇気"ではなく情報である
この数年で世界は大きく変化しています。スマートフォンの先駆けとなったiPhoneが初めて発売されたのもここ十数年の話です。
この世界の変化についていくためには、適応するための変化が私たちにも必要です。するとおのずと必要になるのが行動することです。
今の時代、多くの人がそのことを分かっていながら「自信がない」「勇気が出ない」と新しい行動を起こすことをあきらめてしまいます。
しかし、著者はそんなことは思い込みであり、自信も勇気も行動には必要ないと語ります。
私たちが、過去にできなかったことが、今ならできるようになった(変化した)のはなぜでしょうか。
例えば、幼いころ1人でお買い物に行けなかったり、電車に乗れなかったのは、自信がないからでしょうか。勇気がなかったからでしょうか。違います。
買い物の行き方、電車の乗り方を知らなかっただけです。
私たちが今たくさんのことができるようになった(変化した)のは、その方法や、その結果何が起きるかを知ったから、つまり情報を持ったからなのです。
情報社会と言われ始めて久しい現代で、必要な情報はそこら中に転がっています。誰しもが行動に必要な情報を簡単に手に入れられる時代です。
行動できない人は、できないのではなく、していないだけなのです。
まずは情報を得ることから、行動の準備から、始めてみましょう。
【感想】
著者である西野亮廣さんについてご存知ない方は少ないと思います。キングコングとして漫才界を席巻し、先日公開された映画「えんとつ町のプペル」の原作となった絵本が大ヒットした、まさに"天才"です。
ですが、彼が書いたビジネス書というとなんだか胡散臭い......というのは本書を読む前の私の正直な感想です。
著者ご自身でも自分の事を"好感度が低い"と称していますが、確かに世間からは批判の声が目立っているように思えました。
ですが本書を読めばそれも全てが著者の思惑通りだということが分かりますし、「なんだか胡散臭い」の正体も掴むことができます。
著者は多くの人にとって、未知で、新しい存在だったのだと思います。人間は、未知に最も恐怖や不安、疑念を感じる生き物です。
著者は"お金"は"信用"を数値化したものだと言い、それだけこれからは"信用"が個人の価値を高めるのだと語ります。また信用を貯めるために、嘘をつかないこと、正直でいることを大切にしているのだそう。
それが難しいのが、テレビの世界だとも語っています。テレビの世界は小さな嘘の積み重ねで出来上がっているというのは、私たちにとっても想像に難くないと思います。
私たちが目にするメディアの中で、嘘をつかない彼は新しく、異質で、胡散臭い人だったのだと思います。
ですが、本書で語られる言葉や数字に、嘘が無いということはむしろ、胡散臭さとは対極にあります。私自身、根拠や理由がない話、つまり嘘の可能性がある話は少し苦手ですが、そのような心配はすぐに無に帰しました。
本書の副題は「現代のお金と広告」です。
本記事内ではもっと大きなテーマを取り上げるために、詳しくは触れませんでしたが、本書内では絵本「えんとつ町のプペル」の大ヒットやクラウドファンディングの大成功を成し遂げた著者の成功体験をもとに、"お金"とは何か、意味のある"広告"とはどんなものか、などが具体的な数字とともに詳細に語られています。
自分で作った何かを売り込む体験をしている方にはぜひご一読いただきたいです。例えば、このnoteで記事をより多くの人に読まれるためには......といった考えのヒントもたくさん本書に隠れていると思います。
【おわりに】
さて、最後にもう一度。
”革命のファンファーレ”、皆さんにはもう聞こえていますか。
この記事冒頭で聞こえていなかった方、本書を読む前には聞こえていなかった方、どうでしょうか。
いえ、まだ聞こえてはいないはずです。
かくいう私にもまだ、聞こえてなどいないはずです。
それでも革命は起こり続けています。革命とは何か。変化とは何か。そこに必要なのは行動です。行動に必要なものは情報だと本書が教えてくれました。
ここからは、本書の【おわりに】になぞらえてみます。
私は間もなく、この記事を書き終えます。
そして直後に次の行動を起こします。
あなたは間もなくこの記事を読み終えます。
さあ、何をしますか。
あなたの革命のファンファーレを鳴らすのは、あなたしかいません。
共に、頑張りましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
それでは、また。
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