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何かを諦めることは何かを諦めないこと【ビジネス書】諦める力

#読書感想文 #ビジネス・啓発 #内容要約

【読んだ本】

諦める力

為末大

【はじめに】

こんにちは

突然ですが、皆さんが一番最近諦めたことは何ですか?

ちなみに私は今朝、ちょっと手の込んだ朝ご飯を作って食べることを諦めました。

7時には起きる予定が、8時も過ぎてから起きてしまったので朝ご飯にゆっくり時間を当てている余裕がなくなってしまったのです。

こんな小さなことから、もっと大きなことまで、長い人生を歩んでいく中で、諦めたこと、諦めざるを得なかったこと、誰しもたくさんあると思います。

ではなぜ、人は色んなことを諦めるのでしょうか?

本書は諦めたという結果ではなく、その”諦める理由”に焦点をあてています。

すぐに何かを諦めてしまう。そんな自分に嫌気がさしている。そんな方にはぜひとも手に取っていただきたい一冊です。


【内容要約】

本書の重要なポイントを2つ取り上げます。

①手段を諦めることと目的を諦めることは違う

②「勝っている状態」を自分で定義する

1つずつ見ていきましょう。


①手段を諦めることと目的を諦めることは違う

諦めることは大きく分けて2つ、それが手段目的です。

目的を諦めることは、世間的な”諦める”という言葉のイメージそのものです。

「仕方がないと思い切る」「断念する」

という意味になるでしょう。

本書の著者が注目するのはもう1つの手段を諦めるということです。

これを著者は”諦める”ではなく”選ぶ”に近い意味だと語っています。

例えば、著者である為末さんはもと陸上400mハードルのトップ選手でした。ですが彼も、もともとは陸上の花型競技ともいわれる100mの選手を目指していました。

彼は陸上生活の中で、100mでは勝てないと悟り、諦め、400mハードルに転向したのです。

彼がなぜ、100mの選手として戦い続けることを諦めたのか。それは陸上で勝つことを諦めないためです。

彼の陸上人生の目的は勝つことでした。その目的を諦めないために、100mで勝つという手段を諦めたのです。

本書で語られる”諦める力”は、目的を叶えるために手段を諦める力、つまり”諦めない力”でもあるのです。


②「勝っている状態」を自分で定義する

では、私たちにとっても決して諦められない目的は何でしょう。

為末さんは陸上生活において”陸上で頂点に立つ”ということが目的でした。

人それぞれあると思いますが、パッと思い浮かぶ人の方が少ないのではないかと思います。

この”目的”と、”目的を達成した状態”を自分で定義することが大切だと著者は語ります。

”目的”を自分で定義するというと難しいですが、私たちが自然と行っていることです。何かを選ぶとき、諦めるとき、その判断基準になっているものが、今のあなたにとっての”目的”だと、まずは定義しておきましょう。

著者が注目するのは後者の”目的を達成した状態”についてです。

この定義があいまいだと、目的がぶれます。

人は無いものねだりな生き物です。”平凡で幸せな生活”という目的を達成したと思っていても、自分より幸せそうな人が他に現れると自分が幸せでないような気持になってしまうのです。

そこで、できる限り具体的に「これができていれば自分は目標が達成できている」という状態を自分で定義してしまうのです。

そして、その状態以外のものは思い切って諦める。

そうすることで、目的を達成するための手段を選びやすくなり、達成したはずの目的がぶれてしまうこともなくなります。

【感想】

本書を読んで、私も自分にとっての諦めて良いもの(手段)と、諦められないもの(目的)は何なのか、見直してみました。

諦めて良いもの:仕事、人付き合い、趣味

諦められないもの:成長、幸福、自分ルール、習慣

私にとって、目的の中で大きく占めるのはやはり成長と幸福だと思います。とても抽象的な言葉ですが、何か判断を迫られたときに、「これをすることで自分は成長できるか、幸せになれるか」と自問しています。

何をもって成長、幸福とするかは今も模索中です。

それを達成するために仕事、恋愛、結婚、友人、趣味は選んでよいものだと思っています。

今の仕事は成長につながっているか?結婚したら幸せになれるのか?この人と一緒にいる時間は一人でいる時間より楽しいか?趣味は成長するために必要不可欠か?

こんなことを考えています。

また、本書のなかでも守るべきものとして「ルールと締め切り」が挙げられています。私は特にルールや習慣は諦めてはいけないと思っています。

本書内では、山本文緒さんの著書「恋愛中毒」を例にとっていました。

毎日1本飲むビールを2本飲んだ日から、主人公の女性の人生が狂っていくという描写があるのだそうです。

これを著者は「人間とはそんなもの」と評しています。

自分で決めたルールや、習慣を守らなかった瞬間から、見えないところで整っていた何かが大きく崩れるような気が私もしています。

諦められない”目的”に沿って物事を判断する、というのが誰もが自分でもつルールであり、守るべきものだからかもしれません。


【おわりに】

さて、本記事を読んで少しでも”諦める”という言葉のイメージは変わりましたか?

冒頭で私の今朝諦めたことについて書きました。

あれも、自分の成長や幸せという”目的”を諦めないためのものだというのはご理解いただけたでしょうか?

私は今朝、朝の時間で家事を済ませることや、記事を作成することを諦めなかった。そのために手の込んだ朝食は諦めたのです。

皆さんが諦めたこと、今諦めようとしていることは”手段””目的”どちらでしょうか。

何かを諦めないための”諦める力”を、本記事から少しでも得られていたら嬉しく思います。


P.S.そもそも私が7時に起きるというルールを守れなかったことは、そっと忘れていてください。


最後までお読みいただきありがとうございます。

それでは、また。

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