【13日目】探検!夏!

今日は濃い一日だった。

朝から、Aさんの海士町探検に同行させてもらった。目指すは、海士町で一番南に位置する、木路ケ埼灯台。片道約10キロの道のり。

電動の自転車とはいえ、炎天下、登り阪が続くとなかなかきつかった。下りは自然のクーラーのようで気持ちがよかった。

灯台につく前に休憩もかねていろんなところに立ち寄った。

まず、七尋女房岩(ななふろにょうぼういわ)。水木しげる先生も見に行ったという妖怪のような岩。かなり急な階段を登って3分くらいで岩の前にでる。たしかに妖怪みたいだったけど、思っていたよりはけっこうポップでキャラクター味のある妖怪だった。

七尋女房岩(ななふろにょうぼういわ)


妖怪岩から下ると、一人旅のカンさんに出会った。カンさんはそのあと4回会うことになる人だ。初めてお会いしたが、もう他人とは思えない。

その後、カルデラ展望台でまた一休みし、牛や馬に会うたびにちょっと声をかけて休みつつ灯台についた。だいたいここまで1時間30分くらい。

木路ケ埼灯台

灯台についてすこしすると、車に乗っておじさんがやってきた。灯台の休憩所を掃除しにいらっしゃった。(管理人とかではなく、ボランティア。)

この方がとにかくすごい船乗りの方で、いろんな話を教えてくれた。
この辺りは海なので船乗りさんが多いのは当たり前なのだけど、このおじさんは、貿易船の方だった。つまり、世界中をあちこちいき、1年半くらい日本に帰らないこともあったそうだ。
冷凍船の話、アルファードを6000台だか運ぶ話し、氷山の話、航路。規模が大きい話しすぎて、どこまで理解し驚くことができたのかはわからない。

この灯台まで自転車でくるだけでも大変だったけど、おじさんは小さい頃中学まで2時間くらい歩いて行ってたそう。ちょっと考えられない。

ここで2回目のカンさんにも出会ったり、菱浦の盆踊りであった女性にも出会う。

こんな海士町の端っこに6人もいた。

灯台ではそんなこんなで楽しく話していたら1時間くらい休憩していた。

灯台の近くの崎という、地区へ向かう。
崎は海士町に流された、後鳥羽上皇の着船の地でもある。
アイスでもたべようと崎の柿谷商店に行った。
「菱浦からチャリで来たんです」と話すと、たくさん振る舞ってくださった。もはや商店ではないホスピタリティ。
お茶、梅干し、おにぎり、ビール…さらにはこっちでは物価が高くてなかなか買えない高級品のスイカまでいただいた。

このサイズ、島ではたぶん800-900円する


スイカを食べているとまた、カンさんがやってきた。
カンさんにあげられるスイカがなくなっちゃったと、店主の人は申し訳なさそうにし、代わりにとアイスコーヒーを入れてあげていたけど、もうもらってる時点ですでにおかしい状況。

お店の中で買ってもないものを食べているという不思議さ。なかなか味わえるものではない。

商店の方の旦那さんにあたる、まつさん(仮名)にも商店でであう。
来るや否や、ビールを急に取り出し、渡してくださる。少し話してまつさんの別荘にいくことになった。

その前に、商店の中で食べたアイスとペットボトル飲料をお会計する。アイスを先に食べて払うという飲食店スタイル。

まつさんは、別荘まではかなり急な坂があるが、足腰がつよく、ご自身でしっかり歩かれていた。でも不意に止まって話し出す。

家の前には後鳥羽上皇が腰をかけたと言われている「御腰かけの椅子」がある。

大きな畳、最新のクーラーのあるきれいな別荘。玄関にはまつさんが作ったという大きな船の模型。
別荘では少しだけお酒を飲んで、お話しし、またカラオケをしに来る約束をした。

帰りは基本下り坂、登ってきた分がこんなにもだったかと、下った時に気づいた。

帰りもちょこちょこたちどまった。以下2枚。

船づくりについて教えてもらっている
稲観察


家に帰ってシャワー。汗まみれの体を流す日中のシャワーは最高だ。

18時からは楽しみにしていた隠岐神社の盆踊り。早く着きすぎたので神社を参拝した。今日だけで3回くらい参拝している。

参拝関連で面白かったのが、Aさんは今年の運をこれから生まれてくる甥っ子にささげている。なのでお祈りは決まって、甥っ子への願い。効力はあるらしく、今までかからなかったコロナにかかったり、怪我したりしたらしい。そのたびに甥っ子がもらうはずだった悪を引き受けれてよかったと安堵する。人に言いたくなる噺だなこれ。

神社でまたカンさんに会う。
カンさんは電動チャリのバッテリーもなくなりながらも島一周を果たして帰ってきていた。
物腰柔らかい青年だが、見た目以上にタフ。
また会えそうと勝手に思う。

盆踊りは菱浦で練習したものと同じだったので、踊ることができた。輪の中には課長もいた、一番ノリノリで踊ってた。
最初は少なかった輪の中も、だんだんと人が集まってきた。途中で浴衣を着た、キツネさんたちがやってきた。なんだか嬉しくなった。一昨日くらいに出会ってほぼ初めましての人たちなのに駆け寄ってきてくださる3方。
写真も撮ってもらった。私の師匠も話しかけてくれたり…。
盆踊りをしながらこの2週間で少し話した方々にたくさん会って話したりして、それなりにちゃんといろんな人と関係を作っていたんだなと認識。

隣で踊っていた方とお話した。親子の島留学で一年海士町で暮らす予定の方。
めちゃめちゃ気さくな方で、たくさん話してくださった。
16日にマルちゃんさんの家で、一緒にTシャツを染めることになった。

探検、盆踊り、花火、スイカ、夏らしくて濃い一日!帰りに流れ星が見えた。低いところにオレンジみのある流れ星。今日はなんたら流星群だったみたい。


明日は菱浦の盆踊り。いっぱい声出してこー

今日は、
「海士の人は面白くて、優しくて
海士町に集まる人も面白くて優しい」

こんな記事に書いてあるようなことを、初めて感じることができた日になった。

Aさんのコミュニケーション力と、海士町の人柄、そして無理のない範囲にでもすこしがんばった13日間の積み重ねが今日の感情を作ったと思う。


あと、全然関係ないけど今日また高校生に間違えられた。島に来て3回目。
もう記録は更新したくない。

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