「マーブル」

段ボールマットレスは、腰が痛くなる。いや、体じゅう痛くなる。ろくに寝付けず、AM6:00。今日は、朝風呂に入ると決めた日。外に出る。薄明かりの空の下を歩き、「今日は曇天かな？」と少し気を落とす。10分後。曇りではなかった。まだ日が昇ってなかっただけだったのだ。最高の朝焼けと共に、海沿いの温泉に浸かる。

今日は、本館(旅館部分)の清掃に取り掛かる。この仕事？のメインイベントである。これから、しばらくは、この本館を手入れしていく。まず今日は、掃除機。それと換気。あと点検。掃除機をかけて、窓を開けて、点検。その繰り返しをした。1人きりでよかったと思うのは、作業中に、好きな音楽をかけて、歌っていられること。

１つ、この旅館で、最高のスポットを発見した。屋上に上がるとこのちょっとしたエリアである。ここは音がめちゃくちゃ反響する。ということは、ちょっとの歌声でも、まあ響く。楽しい。気づくと仕事そっちのけで歌っていた。普通だったら、怠慢になるのだろう。しめたもんである。

ちょっと昼過ぎ。外に出て一息。ご飯を探すついでに、散歩&ドラクエウォーク。楽しい。歩く。吉野家を発見。牛丼を食べる。うまい。ゆっくりはできなかったが、牛丼は間違いない。歩く。海。「なぎさ公園」というところで、海を眺める。音楽を聴く。こんな日もありだな、なんて思う。

さて、帰ってきてからもお掃除。最後のひと踏ん張り。ファイナルファンタジーのバトルBGMをかけながら、うぉりゃー！と掃除していく。綺麗になっていくのは、良いものだ。まだ、山ほどお掃除ポイントは残っているが、手をかけないのと、かけたのとでは、全然違う、と思う。これからにつながっていく、いいステップを踏めた。

さっき、自分のメモ帳に、今日のメモを書いた。頭に残っているワードを羅列する。

やりたいことはできたか？
楽しんで、できたか？
明日が待ち遠しいと思えたか？

こんなことを書いた。その通りである。特に、明日が待ち遠しいと思えたか。今日だけじゃ足りない、明日が早く来ないかなと、そう思えるような1日が送れたら、最高である。
やりたいからやる。やらなければいけないからやる、ではないということを、思い返す。

戸締り、ブレーカーのチェック等、一通りの最終確認を終える途中、屋上に出た。夕暮れの海岸線が、カラフルだった。赤だけでも、青だけでもない、なんと形容したらいいのかわからない、でも綺麗な色。マーブル。最高の1日の終わりに立ち会うことができて、俺はラッキーだなと思った。

その隣には、綺麗な半月が見えた。

つづく。