逃げて、逃げて、いつか振り向いて後ろを見て

ラブコメとアニメとスリラーとアクションが一緒くたになったような夢を見た。

ぼくの目の前で『ラブライブ!』のワンシーンが再生されていたかと思ったら、ふと気づくと声優さんが制服を着て主人公らしき男の子(ラブライブ!に男の主人公なんて出てこないけど)に次々に告白していた。

唐突に「好きです」と告げる人あり、雑談している中で一呼吸置いて「好きだよ!」と叫ぶ人あり、告白見本集みたいで何度もドキドキした。

と、校庭の片隅に目を向けると、目が血走った小柄な女の子数人が大木をチェンソーで切り倒している。学校のシンボルらしき大木で、生徒会長的な役回りなのか、小原鞠莉が怒っている。現実の人を、アニメが怒っている。

ふと気づくと「逃げるよ!」と巻き込まれ、警察官みたいな役者さん(深夜ドラマで見るような…バイプレイヤーズたち…)に追いかけられ、ぼくは小柄なおかっぱ少年とひたすら走る。彼はプールにもぐったり、きれいな池の排水溝を巧みに使ったりして逃げる。

ぼくも合わせて逃げ、最後は砂漠の廃墟のようなところまで逃げ、追っ手をぼくがせき止め(と言っても投降するようなそぶりで日常会話をする牧歌的解決)、少年が逃げる時間をひたすら稼いでいた。

と、いうところで目が覚めた。朝6時。お酒を飲んでいるせいかもしれないけど、ここのところ眠りが浅い気がする。4時くらいに目が覚めたこともあった。

気になって「夢占い」をぽちぽち見たら、逃げる夢は今もそのまま、現実でもプレッシャーや気がかりがあってそれから逃れたい思いの現れだ、と書かれてあってがっかりした。たしかに原稿とか何とかあるけれども、逃げるのは課題を解決しない現状維持の後ろ向きな方法で、とにかく前進がない。

ただ、めちゃくちゃに逃げないといけないときがあるのもわかる。それは「自分ではどうしたらいいかわからないけどつらいとき」だと思う。逃げて逃げて、ふと振り返って、あぁ、と気づく。気付いた時に、課題が見える。そんなことの繰り返しで、少しずつ逃げなくなっていくこともあるはずだから。

ぼくの場合は、原稿とか何とかあるのをギリギリに進めているから、という課題がわかっている。逃げないように、立ち向かわなければ。

ラブコメに胸高鳴ったぼくはもういないし、逃げる夢をまた見るのが怖い。恋人と眠るとき、ぼくはほとんど夢を見ない。深く眠って、朝になる。神経の高ぶりが、こんな夢を連れてくるんだろう。

部屋中に積まれた本が読まれるのを待っている。そろそろ生活を変えなくちゃいけない。かねてからやってみたかったことで、遊び場兼仕事場として、事務所でも借りようかなという気になって、以前お世話になった不動産屋にメールした。

#日記 #エッセイ

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