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Instagram責任者の言葉から、Instagramを問い直してみた

📍 この記事でわかること
 ・Instagramで「最も見られているところ
 ・今Instagramでキャッチアップすべき「最新機能
 ・Mosseri 氏による「今後のInstagramの4指針

  ※ 読了時間の目安:約 5分

この6, 7月に、Instagramから2つの表明から発表されました。

1つは「Instagram 表示アルゴリズムについて」の発表。
そして2つは今後のInstagramの成長に向けた「4つの軸の強化」。
いずれもInstagram責任者 Adam Mosseri氏のもと発表され、今後のInstagramの指針を大きく変化させる表明です。

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2つの表明の真意を紐解くことはMosseri氏のほか不可能でしょうが、
今回のnoteでは、そもそもInstagram上で「ユーザーは何を見ているか」「いま何がトレンドか」「これからどうなっていくのか」の3点をオーバービューすることで、そこから考えられるInstagramのあり方について考え直してみたいと思います!

Over View①|Instagramユーザーはどこを見ている?

『普段SNSをどんな目的で使いますか?』

そう聞かれた時、おそらく多くの方が「暇つぶし」と答えることでしょう。この質問の "SNS" を "Instagram" と置き換えても同様でしょうが、その時『Instagramのどこを見ますか?』という質問であれば回答に変化が生じます。

20万人に向けた株式会社Radixの調査によると、ユーザーが最も目を向ける場所は「発見タブ」という結果が出ています。次いで「フォローしているアカウントの投稿」、「ショッピング画面」が挙げられました。

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最多の回答数を獲得した発見タブは「Instagram検索待機画面」に表示され、そのユーザーが最も関心を寄せるおすすめ投稿が並びます。
フォローしているアカウントの投稿を閲覧できるフィードはもちろん、昨年からナビゲーションバーに追加されたショッピング画面はInstagram立ち上げ後すぐさま目に入る画面でもあります。

暇な時にInstagram利用:62.8%

ここにはフィードのレコメンドや日頃よくエンゲージメントする投稿などを配慮し、ユーザーの“好き”をいっぱいに増幅させるInstagramの戦略が詰まっているのです。


Over View②|最近のInstagramといえば...?

 - 雑誌型コンテンツ

国内Instagramのトレンドといえば「雑誌型コンテンツ」が真っ先に浮かぶことでしょう。

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「雑誌型コンテンツ」とは、まるで雑誌のように文字・画像・グラフィックデザインなどを活用した高い情報密度のクリエイティブで、多くはカルーセルを活用したリッチなコンテンツが特徴です。

 - バーティカル動画

文字から静止画、さらには短尺動画へとコンテンツの情報密度・クオリティは進化してきています。

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スマートフォンの(ほぼ)完全な普及やデジタルネイティブZ世代の登場などにより、縦型であるスマホに最適化されたバーティカルな動画コンテンツがTikTokやinstagram リール、バーティカルシアターアプリsmash. をはじめ随所に見られることでしょう。

 - マップ機能

また、直近の大きなアップデートといえば「マップ機能」が実装されたことも挙げられます。

マップ機能は、いわばInstagram版Google Mapのようなもの。ハッシュタグで検索した地域や店舗の場所がマップ上にピン留めされ、そこから店舗情報に特化したハッシュタグ付き投稿群を閲覧できます。

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検索ボリュームやレビューの総件数で見ればまだまだGoogle Mapの優位性には太刀打ちできないでしょうが、Z世代に見るユニークな位置情報の追加や昨年にリリースされたイベント情報の追加などと相まり、デジタルとリアルの双方間の繋がり醸成になるのではないでしょうか。


Over View③|Instagramのこれから

Instagram責任者 Adam Mosseri氏によれば、今後Instagramは「クリエイター・動画・メッセージング・ショッピング」の4軸に注力すべくインターフェースや既存機能などにテストとして変更を加えると予告しました。

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時代とトレンド、ユーザーが求めるものに機敏に対応し続けるInstagramは、「大好きな人やものとのつながりを深める」というそのコンセプトの増強を絶え間なく続けています。

🗒 記事紹介
↓ 前回のnoteでは「どうしてShopifyにはソーシャルメディア活用が必須なのか」を述べ、Mosseri氏が挙げた4項目のうち主にショッピングについて言及しています。

上記で挙げたMosseri氏のInstagram動画では、とりわけ"動画コンテンツ"について深く触れられていました。

現状 長短尺の動画コンテンツをアップできるチャネルはフィード・ストーリーズ・IGTV・リールの4つであり、これらの機能を前提に「フルスクリーンで、没入感がありエンターテインメント性の高いモバイルファーストの動画を表示できる機能」を提供するとコメントしています。(※ 参考)

そこに関係してか、冒頭でお伝えした発見タブで閲覧できるコンテンツの多くが動画になっていることに気がつくかと思います。
発見タブの動画1つをタップすると「同じような投稿」というチャネルにジャンプするのですが、そこでレコメンドされるコンテンツも多くが動画となっています。
(※ 多少レコメンドに左右されてか、閲覧傾向が静止画偏重のアカウントの場合など例外あり)


Over View +α|Instagramの仕組みに立ち返ってみる

Twitterとは違い投稿のパブリックなシェアができないInstagramは、他ユーザーとの接触を図りにくいプラットフォームだといえます。

今ではリールやフィード、アカウントトップでの類似投稿・アカウントの露出が最適化され、レコメンド機能に基づいた他ユーザーとの繋がりが実現されています。
しかし、従来でいえばその役割はハッシュタグと発見タブに限られていました。

note記事「現役女子大生のインスタ消費文化論」(2019年) では、発見タブは "中毒ループ" と言われるほどユーザーに刺さるコンテンツが次から次へと現れる場所で、自分好みの投稿をする外部ユーザーと繋がりを持つのに最適なチャネルだといえるでしょう。
実際「Instagram インサイト」でも発見タブからの流入数は重要な指標とされており、「フォロワー外からのリーチ数」というかたちで把握することができます。

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もとよりソーシャルメディアという立ち位置上ユーザー同士のインタラクティブなコミュニケーションも重要ですが、今回Mosseri氏が注力するとコメントした4軸(クリエイター・動画・メッセージング・ショッピング)を見るに、繋がりを醸成する役割を持ったコミュニティリーダー、つまりはフォロワーの外へと脈を広げるビジネスオーナーやクリエイターに寄り添った施策だと考えられます。


まとめ|何のためのInstagramか?

Instagram責任者のMosseri氏が『もはや写真共有アプリではない』と言った真意は、単に動画に注力することを指すのではありません。

ビジネスはユーザーに、ユーザーはビジネスに、それぞれが寄り添い合ったより緩やかなコミュニケーションが生まれる場所を目指すことだと思っています。
今回取り上げた「発見タブ, 雑誌型コンテンツ, バーティカル動画, マップ機能」のいずれもが、従来から認識されている "写真共有アプリ Instagram" という観念を打ち壊すために機能しています。

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もとよりソーシャルメディアにログインする時、私たちは孤独で、1人で居る場合が大半でしょう。Instagramはそんな孤独な私たちを写真や動画、無限に溢れるコンテンツを以ってしてデジタルソーシャルに誘い、安らぎを与えてくれる存在。
これこそがInstagram、ひてはソーシャルメディアの本質的な価値であり、あらゆる機能もここに帰結すべきだと言えないでしょうか?


さいごに

最後まで読んでいただきありがとうございました!

本記事ではソーシャルメディア Instagramの本質的な部分についてお話しさせていただきましたが、他にも「D2Cブランドの特徴や戦略」「D2Cブランドとソーシャルメディアの連携」「Shopify構築方法」についても執筆しています 。
今後ともソーシャルメディアやD2Cブランドにまつわる記事を投稿していきますので、質問や感想・取り上げてほしいブランドなどなどお気軽にコメントいただけると嬉しいです 🥳

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