D2CブランドのInstagramを解剖してみた【3事例】
【この記事から分かること】
📌 ベストなInstagram運用は「トレンドに乗る」だけでは不十分
📌 Instagramの実装機能をフル活用すべし
📌 D2Cブランド3社にみるInstagram運用の3つの共通点
1. Instagramの今
今月6月上旬、Instagram公式より「Instagramの表示アルゴリズムについて」の最新情報が公開されました。
Isntagramは「いいね数の非表示設定」が可能になるなど、コロナ禍のアップデートに引き続きまだまだ目が離せないところ。
そんなInstagramの国内トレンドを挙げるとすれば、”プリント雑誌” でしょう。要は、以下で挙げているように投稿1つ1つが「情報を集約している」「文字中心」「カルーセル起用」といった特徴を含んでいるコンテンツのこと。
しかし、最新アルゴリズムに配慮した運用を目指すにはこうした「トレンドに乗る」だけでは不十分。
D2Cブランドの多くはInstagramをはじめとするSNSを「主力の顧客流入チャネル」として活用しているも、年々数を増していくSNSやブランドの数に鑑みれば流行に乗った運用だけで競合他社を切り離すのはかなり難しい市場となっています。
今回のnoteでは、ますます運用のハードルが上がっていくInstagramのアルゴリズム変化・トレンドを上手く手取り、目的に見合ったInstagram運用を進めるD2Cブランドをピックアップ。最後の項ではその共通点をまとめています!
📚 コラム「国内だけ!? Instagramのプリント雑誌型コンテンツ」
Twitterにせよ Facebookにせよ、グローバルで見れば日本はユニークなソーシャルメディアの利用が目立ちます。Instagramでは、「#bts好きな人と繋がりたい」「#アオハルしよ」「#いいねした人全員フォローする」などといった文章形のハッシュタグが目立ち、国内のハッシュタグの利用はグローバル平均の5倍!
プリント雑誌型コンテンツに見るような文字を中心とした投稿も、海外ではさして多くは見られません。よって、このnoteでいうInstagram運用に関するポイントは少なくとも日本国内で有効だという前提となります。
2. 今回のInstagramの発表、注目すべきは...?
冒頭で挙げたInstagram最新リリース情報、ズバリ注目すべきは「フィード上位表示のためInstagramが注目しているユーザーの5つのアクション」でしょう。
【フィード上位表示のためInstagramが注目している5つのアクション】
❶ \投稿閲覧に数秒を費やす/
❷コメントする
❸いいねする
❹保存する
❺プロフィール写真をタップ
※ Instagramの表示アルゴリズムについての発表を参考
確かに、カルーセルや画像内文章、手書きのイラストなどリッチな情報を盛り込んだ雑誌型コンテンツでは、「❶(ユーザーが)投稿閲覧に数秒を費やす」よう仕向けられ、「❹保存」などエンゲージメント発生にも大きく寄与するでしょう。
ただし、ユーザーの求めている情報でなかったり、インタラクティブ性を欠く、フィード投稿以外へのリソース注入が疎かになれば、1投稿のパフォーマンスが低下してしまうのは避けられません。
続いての項では、こうした公式からの最新情報にも目を向けた3つのD2Cブランドをご紹介していきます!
3. ブランド紹介 〜 3つのブランドの概要・運用の特徴
「KINTO Japan」
ブランド概要:
創業1972年の食器卸売業に始まり、オリジナル商品開発にも舵を切ったKINTO 。今や国内のみならず世界中に「心満たされる豊かな日常」を生み出す生活雑貨を届けています。
Shopifyを使用したECからはありありとその世界観がうかがえ、1972年創業とは思えないモダンなテイストを実現。
Instagramの運用:
記述の通り国内外にもブランドを展開していることから、投稿キャプションは日本語・英語の2言語で記述。
IGTV・リール・まとめ機能など最新機能には触れつつも、フィード投稿のクリエイティブ画像に注力していると見えます。アカウントにジャンプ後最初にユーザーが目にしアカウントの属性を判断する材料となり、事実KINTOではブランドが形づくる暮らしに根付いた世界観がフィードでありありと表現されています。
ポイントはストーリーズハイライト。製品のシリーズやカテゴリーに合わせられており、いずれもユーザーの投稿をフィーチャーしたUGCがまとめられています。
「feast」
ブランド概要:
俗にいう貧乳にはネガティブなイメージを持たざるを得ませんが、”シンデレラバスト”と新たな見方を提示し下着・ランジェリーを取り扱うD2Cブランド。
Shopifyを活用したECサイトは、オンライン販売のみならずシンデレラバストならではの悩みや下着にまつわる情報を発信するオウンドメディアとしても機能しており、そのチャネル拡大施策にも目が向けられています。
Instagramの運用について:
常にPDCAが意識された運用が伺え、2016年2月のアカウント開設から、コピーライティングや画像、カルーセル活用など、フィード投稿にだけ目を向けてもコンテンツの傾向を常に変化させています。
このためエンゲージメント率(フォロワー換算)がやや低めに映りますが、Instagramの全機能をふんだんに活用するなどし、ベストな運用スタイルを模索し続けているさまがうかがえます。
アップデートされた最新機能はInstagram上でプッシュアップされ、コンテンツの露出が高まる傾向にあります。
最近リリースされた短尺動画リールでは、ややその傾向が収まりを見せているものの現在でも比較的フォロワー外にリーチしやすいチャネルとなっています。
「fruits and season」
ブランド概要:
フルーツをできる限り丸ごと使用したり、端など不揃いの部分を生かしたりとフードロスにも配慮した国内初のヴィーガンフルーツサンド専門店。イートインスペースは設けず、テイクアウトトオンリー&完全キャッシュレス決済の実店舗主導ブランドです。
Shopifyを活用したECサイトページトップは、フルーツの良さを全面に引き出したさまがうかがえますね。
Instagramの運用について:
コロナ禍に流行した食べ物は数多くありますが、そのトレンドを背にじわじわと勢いを伸ばしてきているのがフルーツサンドです。(参照)
投稿画像は一見"シンプルすぎさ"さえ抱くも、実店舗を基盤としていることと旬な商品のアップデート情報なども盛り込まれているため購入意欲のあるユーザーのフォローを自然と促すことができます。定期的な動画投稿や食材へのこだわりを書き込んだ投稿も見られ、商品アップデート情報の他にもバリエーションを持たせた投稿内容です。
4. 3つのD2Cブランドにみる「Instagram運用の共通点」
❶オウンドメディア・アーンドメディアとしての活用
広告も可能な面から言えばペイドメディア、さらに販売チャネルとしてのショッピング機能もあることから、トリプルメディア(さらにはEC)としてInstagramを多機能メディアとしてフル活用しています。
❷運用最適化に基づいたトレンド活用
冒頭で述べた昨今のトレンド;プリント雑誌型のコンテンツはKINTOとfeastで見られました。注目すべきは、運用の目的とアカウントグリッドから表現できるブランドの世界観を損なうことなく、バランスよく起用しているという点です。
❸機能を最大限に活用
ショッピング機能・IGTV・まとめ機能・リール・などなど、ストーリーズ以後に登場したInstagram主要チャネルを可能な限り活用。
実店舗主導のfruits and seasonは例外ではあるも、動画コンテンツやコピーの趣向をアレンジするなど既存機能を改善し効果最大化を図っています。
...これをみるに、もはやInstagramは単なるソーシャルメディアではありません。
数あるSNSの中でも、目まぐるしくアップデートを重ねるInstagramではそのトレンドやアルゴリズムの変化に順応し常に最適な運用手法に舵をとる必要があります。プリント雑誌型コンテンツやUGC活用、インフルエンサーを活用したプレゼントキャンペーンなど旬な施策の知識を取り入れつつも、常にアカウント運用のKPIを見据え『重要な指標は何なのか』を運用担当者のみならずブランドとして認識しておく必要があるでしょう。
5. お問い合わせ
本noteでは、D2Cブランドの特徴や戦略について紹介する記事を連載しています。
今後ともD2Cブランドにまつわる記事を投稿していきますので、質問や感想・取り上げてほしいブランドなどなどお気軽にコメントいただけると嬉しいです 🥳
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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