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35歳からの「脱・頑張り」仕事術 仕組みを作れば、チームは自動で回り出す (書評と感想まとめ)

今週は、8年前、2011年に読んだ本を紹介したい。

プレーヤーとしてバンバン成果上げてたけど、部下を持ってマネージャーになると、途端に伸び悩む人がまれにいる。(私のことなんですけど。)

そんなカベにぶち当たっている人におすすめの本です。

私は、組織マネジメントに問題を抱えて生きてきた

2011年当時、31歳だった私は、ちょうどマネージャーから史上最短で降格したばかり。おそらくこの本、激刺さってるはずなんですが、当時のEvernoteのメモを読み返すと「マネジメントに悩んだときに読めば血肉になるやも」としか書いてない…。おそらく自分のマネジメントに問題があって降格したって自覚なかったんだろうな。

そんなわけで、改めて本書を読み直し学ぶことで、サブタイトルにある通り、脱がんばりでチームを自動で回り出させたいと強く望んでおります。

(私のキャリアの変遷については、以下の記事で詳しく書いてます。興味あればぜひ読んでみてください。)

どんな人が書いた本なのか?
→ベインの日本代表まで務めたコンサルタントの神

外資系コンサルティングの「グル」のような人。こんな経歴の人、なかなかいないんじゃないか。

アマゾンの著者プロフィールを引用すると、

慶応義塾大学経済学部卒業
シカゴ大学経営大学院卒業(M.B.A.degree with honors)
全米成績優秀者協会会員(a member of beta,gamma,sigma National Honor Society)
株式会社東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)、ボストン・コンサルティング・グループ東京事務所、A.T.カーニー極東アジア共同代表、Bain & Company 東京事務所代表パートナーなどを歴任
2005年英国ユーロマネー誌より,世界のトップ金融コンサルタントに日本人として唯一選出される。

ベインの日本代表パートナーって、コンサルタントの中でもトップオブトップな経歴だと思われる。

どんな事が書いてあるのか?
→才能に依拠せず他者と仕事をするための「仕組み」

そんな華麗なキャリアを持ったコンサルタントの著者は、実は「他者マネジメント」が得意でなかった、と書かれている。

私は、そういう同僚よりも激しく仕事を頑張るものの、他者と上手く仕事ができない。そんな私が頂戴したのは、「史上最凶のマネージャー」という 烙印 だった。

そんな著者が、属人的な才能や性格に依拠しないでも他者と仕事をするために作り上げた「仕組み」仕事術について書かれている本。

ちなみに、本書の前半は、著者が壁にぶつかる姿の「ミニ自伝」になっている。自分もスケールは小さいながらも、同様にプレーヤーとマネージャの役割の変化に適応できず辛い目を見てきたので、この部分は涙なしには読めない。

組織マネジメントは「マイクロマネジメント or 放置プレイの二択」になりがち

プレーヤーとして高い評価を受けて昇格したマネージャが、部下のマネジメントをするようになるとやりがちなのが、

・細かい作業レベルでチェックしていく「マイクロマネジメント」
・部下に丸投げする「放置プレイ」

本書でも「究極の一人プロジェクト」「ウルトラ放し飼い」という言葉で説明されている。

プレーヤーとして高い能力を発揮し、成果を出して来た人ほど、この罠にハマりやすい。

プレーヤーとして成果を出してきたがゆえに、自分のやり方に自信を持っていて、それが正しい、と思っている。だからこそ、自分のやり方と同じことをさせれば、部下も同じように成果をあげられると信じている。これがマイクロマネジメントになってしまう理由。

さらに、プレーヤーとして成果を出してきた人は、誰かにやり方を教わったり、モチベーション上げてもらったり、という経験があまりない。もとから、高いモチベーション持って、自分で勝手に学び、勝手に成果を出してきて、それが普通だと思っている。だから、放置しても、自主的にやるだろうし、わからなければ自分から聞いてくるだろう、と本気で思っている。これが放置プレイになってしまう理由。

部下に「オーナーシップ」を持ってもらいながら、「仕事品質低下のリスクを最小化」する仕事術

マイクロマネジメントだと、仕事品質低下のリスクは小さいが、部下はオーナーシップを失い、成長は止まり、疲弊していくことが多い。

放置プレイだと、部下がオーナーシップを持てて著しく成長することもあるが、仕事の品質は部下の能力に依存するため、(プレーヤーとしては優秀な自分が直接やるよりも)品質低下のリスクが高い。

この矛盾を解消し、任せてオーナーシップを奪うこと無く、成果が出る安全な仕組み、を作るための方法論が本書では解説されている。

「仕組み」仕事術の狙いは、「部下に仕事オーナーシップを持って」もらいながら、「仕事品質のリスクを最小化」する、つまり任せても成果が出る安全な仕組みを作ることにある。さらに、私との仕事を通じて、「部下が成長意欲を持ち」「自らの成長にむけて行動する」ようになることを狙っている。

ベン図法を使った「ブレイン・ジャック」が、本書の方法論のコア

本書で紹介されている「部下に仕事オーナーシップを持って」もらいながら、「仕事品質のリスクを最小化」する、という方法論のコアが、ベン図法を使った「ブレイン・ジャック」という手法。

自分のために、図表を引用しながら、整理してみたのでご参考までに。

マネージャである自分と、違う意見を持つ部下の主張と思考回路を円で表してみた図。


・多くの人は、部下を説得して、なんとか自分と同じ考え方になるように導く。部下はマネージャの軍門に降って、マネージャの意を組んで動くようになる。
・このような「俺の考え」を押し付ける部下マネジメントは稚拙。(自分もよくやってる)


・マネージャの関心領域を広げて、共通点を探る。自分の主張には関係性は低いので重要ではない、と判断していた周辺の観察事実や思考回路の中で、部下は重要と思った観察事実や思考回路については、ひょっとしたら、自分の凝り固まった考えを変えたほうが良いのではないか、と自問するようにする。

・部下とマネージャの共同作業により、新しい結論が生まれる。
・部下と話す時に、自分の思考をしっかり持ちつつ、柔軟に外延を広げようという心の準備をしておく。
・共通集合を見つけるには、部下にどうしてそういう結論を導いたのか?という過程を尋ねることが有効

・「今回の君の主張には直接関係ないかも知れないけど、面白い、記憶に残る観察事実や考え方はないかな?あったら聞かせてよ」という質問をする。
・「それは面白い」「それは新しい発見だ」と喜ぶと部下の円が拡張していく。
・部下という自分とは違う目、違う頭を取り込んでしまう。部下の頭をブレイン・ジャックすることで、押し付けにならず、オーナーシップを失わせないどころか、自分ひとりの頭で考えるよりも主張が磨かれる。

※これ以外にも、部下を使ってチームで成果を作り出す仕事術が40個に分類されて説明されているので、時々読み返したい。

書評と感想のまとめ

本書を読む前に、自分にフィットするかアテをつけたい人は、読んだ人の感想やまとめを読むと良いと思います。結構、偏ってる感じはあるので。

まとめ

・部下をマネジメントする上で大切なことは、仕事を奪わず、部下がオーナーシップを持った状態で仕事を主体的に進められるような環境をつくること。

・その上で、品質を落とさないためには、一兵卒として情報収集して仮説思考で(部下には隠して)仮説を持ちつつ、部下と一緒に仮説を作っていく。

プレーヤーからマネージャーになって、自分の力で成果を上げる、という役割から、人を使ってチームで成果を上げるという役割へのシフトがあまり上手く行っていない人におすすめの本です。

(最後に)このnoteについて

その週に気づいたことや読んだ本などをまとめていく週報note。
毎週書く!という強制力で文章を書くリハビリを進めていくのが目的。

本を引き合いに出さないと、自分の言いたいことも上手く言えないことに気づいてきた。

※今回は、2月3日~2月9日


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