太宰治、斜陽を読んだ。映画「人間失格」のレビュー等。

斜陽、読了。
こんな話だったのかと驚く。
酒、女、煙草、薬、自殺…、家族、宿る小さな命、恋と愛。。戦闘、開始。

最近古い小説を読むとその作品がいつの時代に作者が何歳のときに書かれたのか気になって必ず年譜を見る癖がついた。自分の年齢と照らしてみたり。これは10代20代のころには全く気にならなかったこと。巻末の解説もちゃんと、読む。

斜陽を書いたころ太宰治38歳、翌年39歳で玉川上水にて情死とあるから精神的にも肉体的にもボロボロに堕ちつつある時期に死にもの狂いで書いた印象がある。中期作品に見られる余裕あるウィットやユーモアは少なめに感じた。ヴィヨンの妻は晩年の作品にも関わらず例外的で、ドタバタコメディの要素と、どことなく漂う哀愁が、うまく交ぜっこになっていて大好きです。

さて映画の筋立ては斜陽、ヴィヨンの妻、人間失格の三人の女性を登場させ、これら晩年の3つの作品をさらりとなぞったお話に見えたけど僕はまだ肝心の人間失格をちゃんと読んでいない。読みたい本が次から次と出てきて超有名作品はいつでも手に入るし今じゃなくても読めるだろう、また今度ね。とついつい後回しにしてしまう傾向がある。そうしてその今度は永遠にこない可能性もまたある。斜陽もうっかりすると本棚のお飾り的なそんな部類の本だったが、映画を見た勢いで熱の冷めぬま、えいとばかりに読んでみた。

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