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宝石の国 連作句歌『Luminous』

新規プロジェクト (7) (2)

生も死もはるかに遠き日永かな

春の宵うばはれるのを待つてゐる

博物誌めくれてふいに蝶の立つ

春眠や祈りになりそこなふ祈り

ああくらげきみはいつでもやさしいな

薄暑光欠けた手首の透るまで

赦されてしまふ苦しさ夏の暮

あぢさゐにつひに触れざる夜のこと

てのひらに剣おもたき水の秋

白粉花摘めば指から染む夕日

暮れ残る花野こんなに無力とは

砕かれしきみのつめたきひかり追ふ

遺言のやうだ声まで凍てついて

冬ざれに手を伸べ またもまぼろしか

雪解けて思い出せない名がひとつ

うすらひや強さとさびしさの相似


愛しても憎んでもだめ あなたには知られたくない罅をもつこと(ダイヤモンドとボルツ)

君に似合う仕事を見つけられなくてごめん 夕べの波はぬるいね(フォスフォフィライトとシンシャ)

春の潮満ちてここから夜の国 うそつきとはまだ言わないでやる(シンシャとフォスフォフィライト)

膝ゆるく折って氷に触れるとき君の名前がひどく遠いな(フォスフォフィライトとアンタークチサイト)

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