ハセホヅミ

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宝石の国 連作句歌『Luminous』

生も死もはるかに遠き日永かな 春の宵うばはれるのを待つてゐる 博物誌めくれてふいに蝶の立つ 春眠や祈りになりそこなふ祈り ああくらげきみはいつでもやさしいな 薄暑光欠けた手首の透るまで 赦されてしまふ苦しさ夏の暮 あぢさゐにつひに触れざる夜のこと てのひらに剣おもたき水の秋 白粉花摘めば指から染む夕日 暮れ残る花野こんなに無力とは 砕かれしきみのつめたきひかり追ふ 遺言のやうだ声まで凍てついて 冬ざれに手を伸べ またもまぼろしか 雪解けて思い出

    • 映画吟行『アラジン(2019)』

      茉莉花を摘むごと盗む髪飾り 炎昼や等価に足らぬなつめやし 逃げるのは得意スークの片かげり 日盛りのパレードばかばかしく楽し 遠花火あかるく濡れる砂漠かな 短夜の冒険あたらしき世界

    宝石の国 連作句歌『Luminous』