芝居のアプローチ

僕の芝居のアプローチの礎は、あくまで礎でしかないのですが、リーストラスバーグシステムと言う演技法で、スタニスラフスキーシステムからの派生系のいわゆるメソッド演技法です。

やたらとメソッドに弱いと言いますか、安直にそれが本物なんだ、など思う人もいるので少し言うのに気が引けるのですが、自分の礎はリーストラスバーグメソッドです。

ステラアドラー、マイズナー、イヴァナチャバックなどスタニスラフスキーからの派生系は沢山あるのですが、僕が主に学んだのはステラアドラーとリーストラスバーグのメソッドです。
あとは別口ですが、スーザン・バトソンと言うアクティングコーチに頂いたものも大きいです。

アプローチに関しては正直合う合わないだと思います。
ロバート・デニーロのように同じ役で30kg太って痩せてする人もいれば、ゲイリー・オールドマンのようにチャーチルで体型は全く変えずにアカデミー賞を取る人もいます。

役作りを過度にやらなければならないのは、そこまでしないと芝居が出来ない下手くそだからだと言う人もいます。

先程、礎はと付けましたが、リーストラスバーグメソッドを根底としてますが僕のやりやすいように変えているからです。

恐らく役者の方々は各々でやり方があると思います。
アンソニー・ホプキンスはロバート・デニーロと同門ですが、デニーロアプローチに否定的です。

何故リーストラスバーグメソッドを礎にしているかと言うと、今考えると違うと思う面もかなりあるのですが、当時の僕のメソッド系のアプローチ全体に思った印象は、時間がかかりすぎると思いました。

最初の方はそのままの形をなるべく維持しようとしたのですが、ハリウッドのメソッドなので、基本的に準備の期間が与えられている前提のアプローチで、やれる暇がなかったです。

日本にもやれる環境のある作品もあると思いますし、僕自身がまだそこまで多くの出演経験があるわけではないからかもしれないですが、殆どの作品は半年間役作りの為に引きこもりの生活が出来る事は無いと思います。

そんな中でリーストラスバーグメソッドが僕の主観では一番速く感じ、礎としました。

ざっくり言うと自分の多面性の一部を広げるやり方です。

家族と話す時、恋人と話す時、友達と話す時、少しづつでも違うでしょうと言うのを基にする感じです。
基本的に既に存在する自分を基とするのでその分スピードが早いと言う事です。

恥ずかしかったり、到底人にお見せできない嫌悪するような面も役者にとっては幸い多い人間だったので自分には合っていました。

ただ本来やりたいアプローチの妥協としてのアプローチではなく、
準備の期間が少ない事を弱点をなるべく軽減するアプローチでもなく、
寧ろ準備の期間が短さが強味となるアプローチを探さなくてはならないとは思いました。

僕はなるべく理論的に分解出来る様に心がけていますが、絶対的に基になるのは感覚的な所で、それを埋めるやり方をしているのですが、
期間が長ければ長いほど身体には馴染みますが、その分新鮮味だとか刹那の物がなくなると考えています。
殆ど意識的な問題かもしれないのですが、沢山の準備期間から出せる表現と別の刹那の表現が出来ると思っています。

置かれた環境下の中、制限ある中いかにするかは芝居も同じで、セリフだったりアングルだったり、時には動きもタイミングも制限あるなかいかに自由にするか、際限はありません。

これからもより良いアプローチは探し続けて行きますが、現時点での向き合い方など書いていこうと思います。

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