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ゼブラ企業とは? -新たな社会変革の鍵-


2024年7月24日付中国新聞デジタルの記事に、「若者引きつける『ゼブラ企業』 共感呼ぶ『みんなのために』(平井敦子)」という記事が掲載されていました。

私はゼブラ企業という言葉を聞くのは初めてだったこともあり、大変興味深かったのでご紹介したいと思います。

20~40代の熱気であふれた「ゼブラフェス」@東京・下北沢

6月下旬に東京・下北沢で開催された「ゼブラフェス」は、朝から晩まで熱気であふれたそうです。約500人の参加者が、起業家や企業の新規事業担当者、学生、投資家といった多様な顔ぶれで、名刺交換や熱心な議論が繰り広げられたとのことです。登壇者たちは、宮崎でのAIを活用した農業や、福島の柿の皮を利用したデリケートゾーンのケア用品の開発、現代的な茶道など、革新的な試みを紹介したとのこと。広島からの参加者も、「みんなのために」という理念が若い世代に共感を呼ぶと述べ、社会課題に取り組む企業が地方でも増えることを期待することが多くあがったたようです。

ゼブラ企業って? 目的は「社会課題の解決」

ゼブラ企業とは、急成長を遂げる「ユニコーン企業」とは対照的に、「長期的にみんなを幸せにする」という理念を持つ企業を指します。地域コミュニティーなど多様な力を組み合わせ、社会課題の解決を目指す姿勢が特徴です。このような企業への期待は「インパクト投資」の伸びからも明らかです。2023年度の国内インパクト投資残高は11兆5千億円に達し、前年の2倍となっています。また、政府も成長戦略の一環として「ローカル・ゼブラ企業」の基本指針を示し、モデル事業を進めています。

ゼブラ企業への期待の背景 人口減少という難題

ゼブラ企業への期待が高まっている背景には、社会の大きな変化があります。ゼブラアンドカンパニー共同創業者の陶山祐司さんは、「高度経済成長を終え、人口減少や少子高齢化に直面し、給料も上がらない現状で、社会課題の解決を担うビジネスがこれまで以上に必要とされている」と説明します。企業に対する社会からの要請も高まり、ゼブラ企業の役割が重要視されています。

若者たちが何を欲するのか

広島県立叡啓大学の早田吉伸教授は、ゼブラフェスに参加した若者たちについて「行き過ぎた資本主義社会に違和感を覚える若者にとって、ゼブラ企業は共感できる場となり得る」と述べています。大企業に入っても安定が保証されない現代において、持続可能な社会や地域に貢献できる仕事や共存を重視するスタイルに価値を見出す若者が増えているとのことです。

おわりに

ゼブラ企業は、社会課題解決と経済成長の両立を目指す企業形態として注目されています。社会課題解決と経済成長の両立という点では、サステナビリティ経営、CSV経営とも通じるものがありますが、若い世代からの観点という、新たな視点を与えてくれていると感じました。

若い世代にとっては、共感しやすい理念を持つゼブラ企業が、魅力的なキャリアの選択肢となり得るでしょう。未来を良くするための新たなチャレンジに、ゼブラ企業が果たす役割はますます重要になっていくでしょう。

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