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サイン 12月4日

師走。
文字を見ているだけでも気忙しくなってくるようだけれど、
定休日をはさんでゆったりめにお休みを頂いたお陰で
いくらか落ち着いた心持ち。

父の四十九日の法要のために再び夫君とともに千葉の実家へ車で行き、
昨日三春に戻ってきた。実家には3日ほどしか滞在していなかったというのに、なぜだか1週間くらいいたような気がしてしまった。
帰り路、昼食をとるために立ち寄った高速道路のサービスエリアは、
家族や愛犬を連れた人たち、観光バスも数台停まっていて賑わっていた。
そうか日曜日だったかと、そこで気づく。
目の前のキラキラとした平和な日曜日の光景と、ぼんやりした自分との
ギャップがあまりにも大きくて浦島太郎みたいな気持ちになる。
幸いトイレの鏡に映った自分はおじいさんにもおばあさんにも
なってはいなかったけれど。

故人は四十九日までは思いを残した場所や人の近くといった
この世を彷徨っているらしい。
そして法要の日を境に完全に仏様へと生まれ変わるのだと
あるお寺のご住職から以前にお話しを伺ったことがある。
何かが見えたり感じたりといった、霊感が強いわけでもなんでもないけれど、その話は妙に納得がいく。父が亡くなってからずっと父のことを
考え続けていたからか、気配のようなものを感じていた。
あくまでも自分の意識がそうさせているだけなのだろうし、
その距離が縮まるわけではないことが切ないのだが。

父は仏さまになったのか…。虹を渡って極楽浄土へ行けたのだろうか。
祖母や父の友人との再会は果たせたのだろうか。
あちらでは好きな絵を好きなだけ描くなどしてゆっくりして欲しい。
母を見守っていて欲しい。
手を合わせてそう祈ることしかできないのだなぁ。

何をしたというのでもないのに(もしろ何もしていないと思うのだが)
疲れがたまっている。放っておけばいくらでも眠れそうなほど眠い。
あ、そういえば実家の階段で足を滑らせそのまま数段落ちてしまった。
そんなことこれまで一度もなかったというのに…。不覚。
ものすごく痛かったけれど、立ち上がることも歩くこともできているので
どうやら大丈夫ではある。あるのだが、さすがにあちこち打ち身で痛い。
お風呂に入るときに一番痛い臀部を鏡で見てみるとひどいアザ。
赤ちゃんの蒙古斑のようなかわいいものではない。大きな茄子だ。
これも休めという身体から(ひょっとしたら父から?)のサインと思って
やることはそれなりにあるのだけれど、なるべくゆったり過ごそうと思う。

12月4日(月)晴れ 最高気温9℃ 最低気温0℃
霜を纏った朝方の草花の姿の美しさと言ったら…
暖かかった千葉から帰って来て、冷たい空気に身体をこわばらせながら
どこかではその三春の寒さにホッとしている自分がいる。