梅干を仕込む。枇杷葉を干す。6月11日
梅干しを仕込むために追熟をさせていた梅を、いよいよ塩漬け作業。
季節しごとは何年、何回やろうがいつも少し慌てる。
梅の追熟具合に合わせるならもう1~2日早く塩漬けするべきだったかもしれない。いや、どうだろう。そうだったとしてもその時間は取れなかっただろうし…などなど。それは数字などでは表せないところ。正解は勘どころでしかない。さらに今年の梅は気候の影響で扱いがなかなか難しく、追熟中に痛んでしまった梅をはじいてみると、仕込む量がだいぶ減ってしまった。が、それも含めて今年の梅。作業をすることで身をもって知ることができたのは貴重なこと。とはいえ、私は趣味でやっていることだからまだいいが、農家さんたちは死活問題。そのことを思うと胸が痛む。数日中に梅酢が上がって、どうかどうか土用干しまで無事に仕上がりますように。
梅しごとを終えたら、天気もいいのでお茶にするために枇杷の葉を天日干しにする。
東京に住む友人夫妻のお庭に育つ枇杷の木。以前にも葉を譲ってもらったことがあり、お茶にしたり、焼酎に漬けたものが何かと重宝していた。
枇杷の葉が役立つことは東条百合子さんの本「自然療法」で知ったのが
はじまりだったが、知識止まりだった。
あるとき友人夫妻と話をしていたときに枇杷の葉が話題に出て、「うちの庭にあるよ」と譲ってくれたのだった。それも残りわずかとなっていたタイミングでまた今回も譲ってもらえることに。
送ってくれた枇杷の葉が入った段ボール箱の中には、なんと実も一緒に。
のびのびと育ったその実と葉の美しいこと、美しいこと。実は淡い甘さだけでなく、酸味も少しあってそうそうこの味!という懐かしい美味しさだ。
昔、実家にも枇杷の木があり、今くらいの季節にはあるのが当たり前の果物だった。なぜかいつの間にか木は庭から消失してしまってそこではじめて当たり前ではなかったことに気づいたのだけど。子どもの頃に食べていたあの枇杷はこんな味だったんじゃないかな。
梅も枇杷もどちらも農薬はもちろん化学肥料も堆肥も使っていないもの。そうしたものが手に入るのがあたり前ではないことを知ったのは、ずいぶんと大人になってからのこと。
枇杷の種、庭に植えたら三春でも育つかな。