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月に一度のおいしい時間 6月8日

今日の夜は月に一度行われている、Mさんのお料理がいただける内々の食事会。季節ならではの食材を使って和食を中心に、ときにはアジア、洋、イタリアンなどなどMさんがテーマを決めてコース料理を組み立てる。

日中は、気温がぐんぐんと上がり、梅雨を跳び越えて夏を感じさせる陽気。お店のInstagramの投稿には器の紹介と共に、その器に盛りつけるならどんな料理がいいだろうとイメージしていたら、無性にベトナム料理が食べたくなっていた。
私の頭の中では、やや深さがある黒のオーバル皿に、ベトナム揚げ春巻きが
並んでいた。こういうときの私の妄想は妙にリアルだ。つけあわせの生野菜にはたっぷりのミントやパクチーにライムを添えて…。白い器はどんな食材、料理でも受け止めるが、実は黒の器もキリッと引き締めて引き立ててくれる。これからどんどん出回る夏野菜などとも相性がいい。そしてカラリと揚がった春巻きとも。

なんてことを昼間に考えていた。
そうしたらMさんの今日の料理は、ベトナムや台湾を意識したアジア料理というではありませんか!しかもコースのメニューを見ると、その中にはなんと揚げ春巻きが!以心伝心。Mさんとハグしたかった。
もちろんその他のメニューもどれもこれも美味しく、香草やスパイス、ナンプラー、台湾のごま油にお酢の香りなどが異国へといざなってくれて…。
映画「青いパパイヤの香り」の映像が頭の片隅で流れていた。

枇杷の杏仁豆腐

学生の頃、部活を終えてお腹ぺこぺこで帰宅すると、夕飯のメニューが
カレーで「そうそう今日カレーが食べたい!と思っていたんだよー」
なんてことがよくあった。母と胃袋がつながっている!と思えた瞬間。
今、私は夫君と胃袋がつながっているメニューを作ることができているのかな。

6月8日 晴れ
この食事会に、タイミングよく写真家大沼ショージくんが参加することに。
福島市の知人の記念撮影を依頼されたとのことで、ショージくんは
東京から2日早い前乗り。
郡山駅の待ち合わせ場所で待ちながら、同じように待ち合わせをしていた
おじいちゃん、おばあちゃんは娘さんとお孫さんのお迎え。帰省かな?
遠距離恋愛?らしきお若いふたりの姿なども。
改札を抜けて出会えた瞬間のそれぞれの笑顔、いや笑顔だけでなく、
手をつないだ後姿も、まるで映画でも見ているみたいにどれも素敵で、
こちらまで顔がほころんでしまうほど心あたたまるものがあった。
ショージくんだったらこの瞬間を写真でどう切り取るのだろう。
なんて妄想を繰り広げていると、華奢な体に大きな荷物を抱えた
ショージくんが改札を抜けて、私たちもまた笑顔で再会を喜ぶのだった。