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「いらっしゃいませ」

8月20日 晴れ 時折遠くで雷 最高気温35℃ 最低気温25度

今日も朝から残暑が厳しい。仕事場までは徒歩で15分ほど。大した距離ではないけれど、それだけでも到着した頃には汗がツーッと背中を流れていく。
汗をかきかき掃除諸々開店準備を終えて10時にopen。

しーん。

事務仕事などに集中していて気づかなかったがopenしてからもうすぐ2時間が経とうとしている。ずいぶんと時間が経つのに扉が開かない。今日は日曜日だけれどこの暑さだし、曜日などもう関係ないのだろう。私だったら出かけたくなくなる暑さだもの。
表の様子を見ようと入口近くまで行ってみると、玄関マットに何かがぴょこんと飛び乗った。バッタだ!なんということか、今日の最初のお客様はバッタ君。

「いらっしゃいませ」

と言ってもなぁ。バッタはこちらの気配を察したのか、慌てるように花壇の中へピョーンと飛びこんで姿を消した。そして再び誰もいなくなる。表を歩く人もいない中、通りのスピーカーからは懐かしい昭和歌謡だけがいい調子で流れている。ゆるく流れるその曲調がまた、青い空にやたらと似合う。
今日はバッタ君だけで終わるのではないか。半分冗談、半分本気でそう思う。そんなことをつらつら考えていたところへ救いの手のようにお客様がご来店。
はじめていらっしゃるお客様、なじみのお客様、数か月ぶりに遠方から…と人数は少なくてもこの暑さの中、わざわざ足を運んで下さる方がいらっしゃることが本当に有難い。バッタ君だけで終わらずに済んだ。手を合わせて拝みたくなる。
夕方にKUU先生(ヨガの先生)がご来店。お茶っこしながら休み中のことなどを色々とおしゃべり。静かに平和に暮れていった日曜日。