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音の頭を合わせるために必要なこと

バンドの演奏を聴くとき、曲の始めにドラマーがスティックをクロスし、何度か打ち合うのを目にすることがあると思います。これは、ただカウントを取るだけでなく、その数回の間にメンバーのテンポを統一し、しっかり縦を合わせて曲を始める確認の時間でもあります。

でも、ドラムのように明確にリズムを刻む楽器がない場合でも、曲の出だしに限らず、演奏者が何も示し合わせることなくぴったり入ったり、音を切ったり、不思議に感じたことのある人も多いのではないでしょうか。

彼らは何か特別な方法でやりとりしている?まさか、テレパシー??音楽をやる人がみんなテレパシーを使えたら、きっとこの世は隠し事なんかできない世界になってしまいますね笑
では、彼らはどのようにしてタイミングを取っているのでしょう?

好きな音楽の映像、ヴォーカルとギターや、サックスとピアノなど、各自の楽器の音を重ね合わせる演奏を見てみてください。きっと、1曲を演奏する間に何度も視線を交わしているのに気が付くと思います。
えっ、目配せなんてしてないって?そういう場合は誰か特定の人の身体の動きや呼吸を合図にして、音楽が進んでいるはずです。それは一人が全てを担う場合もあれば、曲の場面に応じて交代しながら進む場合もあります。多くの演奏者は、たった数分の曲の間に、数えきれないほどの確認をし合いながら音を鳴らしているのです。

でも、ただ目配せしただけでは音は揃いません。じゃあ他に何をしているか?

例えば4拍子の曲。サビ前など場面が変わったり、全員で音が揃うのがかっこいい場所に注目してみてください。
ほとんどの場合、3拍目と4拍目に何らかの合図をしているはずです。それは曲の雰囲気や演奏者の見せ方などにより、体全体を大きく動かしたり、目線を上げ下げするだけだったり様々ですが、多くは3拍目に一度下に下がった後4拍目に息を吸うと同時に身体を起こし、次の1拍目にキメの音を出しているはずです。
どれだけ音楽に緩急がついても、1拍目を揃えることはとても大事なことで、そのために前の小節の2拍分を使って調整しているのです。だから、3拍目・4拍目がしっかり意識された演奏はリズムに芯が通っていて聴きやすいことが多いです。これを読んでくれているあなたの好きな演奏家の音楽が気持ちいいと感じる理由の1つは、これかもしれません。

で、3拍目と4拍目でしっかり準備するためには、その前の1拍目と2拍目を安定させる必要があるわけで・・あれ?結局全てが大事ってこと?って言われちゃいますね笑。まあ、そうなっちゃうわけですが、とりあえず今日のところはキメの前の3拍目と4拍目が大注目!ということを知ってもらえたら。きっと、ライブなどを見る際に今までと違う聴き方ができると思いますよ?

続きそうな展開?どうでしょう??笑

では、また明日!


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