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ライブハウスに足を運ぶようになった話:その1

ライブハウスが苦手でした。
酒とタバコの空間、ガラの悪い男女が行儀悪く絡み合っている。そんな強い偏見を持っていました。
一方で、その「ガラの悪い男女」は、おしゃれに着飾っていて、キラキラしてもいる。そこに自分が入り込むのは悪い意味で目立って違和感しか感じないだろうから、一生足を踏み入れることなんてないと思っていました。

でも、人生ってわからないもので、30代も後半に差し掛かった頃、音楽やダンス、芸術などを頑張っている若い世代の人たちを応援する部署に異動になり、子どもたちや、社会に出て間もない若者たちが拙いながらも一生懸命パフォーマンスする姿を見て悪くないと思うようになりました。

そんな時、10年近く会っていなかった友人と急に連絡が取れるようになったんだけど、車で一時間半近くの距離があるし、そもそもスケジュールが合わないし。で、なかなか会えずにいました。でも、SNSで彼の投稿を見ていると、ギターの弾き語りをやっていて、次の週末にライブすると書いていたので、そこに会いに行くことに決めました。

会場に入ったらその彼が自分で受付をやっていて、メガネを曇らせて視界が悪い僕より先に気づかれてしまったので、感動の再会!とはならなかったけど、その時に聞いた彼の演奏がとても気に入ってしまい、車を一時間半走らせる距離のライブハウスにちょくちょく足を運ぶようになったのでした。

顔を合わせる機会が増えていく中、その彼を慕って集まる人たちと知り合い、地元でも遊んだり飯を食いに行ったりして、彼らがライブに出る!という話を聞くと、そのために応援しに行く生活に変わっていき、僕にとってライブハウスに足を運ぶ行為は少しずつ日常的な物へと変わっていったのでした。
酒とタバコはあるけれど、ガラの悪い男女が行儀悪く絡み合っているわけではないというくらいには価値観が変わったのでした。

続く

では、また明日!


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