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ピアノが来た日(その2)

ピアノを習う期間が長くなり,練習する曲も難しくなってきて,「これからもピアノを続けるなら,グランドピアノにされた方が良いと思います」と先生から言われたのは小学校の高学年になった頃。
その時は親どころか自分自身楽器の違いなんてわからないし,まさか家にグランドピアノを置くなんて考えたこともありませんでした。憧れはあったけどね。

だからさすがに「新しいピアノが欲しい」なんて言った覚えはないんだけど,同じグループの子達が買い替え始めたり,たまたま受けたコンクールで良い賞をいただけたりと,これは楽器をアップグレードしても無駄にはならないんじゃない?的な出来事が重なり,幸運にも与えてもらえることになりました。

とはいえ,それまでのアップライトピアノ(箱型)と比べ大きさや奥行きがあり,とてもじゃないけど居間には置けない。家族との協議の結果,居間の隣にある和室に置こうということになりました。
畳の上にカーペットを敷き,いわゆる床の間のスペースに頭を突っ込んで,なんとか収まりました。
ちなみにこの時はヤマハのC3サイズという少し大き目の物を買ってもらえました。

我が家は誰かが音楽をたしなんでいたわけでもなく,音楽を習うという文化にも疎かったので,何か新しい要素が入るときには理解を得るまでの時間がかかりましたが,いざ方向性が決まると,言われるとおり,薦められるとおりに受け入れたものだから,そういう意味では気付かないうちに良い物を与えてもらえていたんだと思います。当時はあまり気にしたことがなかったけど,今考えると自分がやりたいと言ったことに労力を惜しまない両親だったことがわかり,ありがたさを感じています。

ということで,自分にとって生涯2台目のピアノを迎え入れたわけです。

中学生1年生の夏にはそのピアノで練習していた記憶があるから,きっと小学校を卒業するくらいに買い替えたんじゃないかな。

ちなみにこのピアノは大学を卒業して働くようになってからもしばらくの間弾いていたので,12~13年使い続けたことになります。
次のピアノに替える時に手放してしまったけど,すぐに中古で引き取られたようです。それからもう年月が経っているので,まだその人が使い続けてくれているかはわからないけど,もしその楽器に再会することがあれば,うるっときてしまいそうな気がします。

その3につづく

では,また明日!

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