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キャリル・チャーチルの今。混乱を怖れぬ覚悟。

 キャリル・チャーチルの二作、ダブルビルを見た。「A NUMBER 数」と「WHAT IF IF ONLY もしも もしせめて」は、ジャサンサン・マンヴィの演出、広田敦郎の訳である。
それぞれ2002年と2021年に初演された短い戯曲をなぜ、ふたつ並べたのか。もちろんパンフレットには、マンヴィの考えは示されているけれども、「WHAT IF IF ONLY もしも もしせめて」のあとに、二十分間の休憩を挟んで、「A NUMBER 数」が上演された舞台を観て、考えに沈んだ。この二作のあいだにも、二十年近い時間が流れている。

 それにしても、「クラウド 9」や「トップ・ガールズ」のような代表作を持つ劇作家が、年齢を重ねて、どんな境地にたどりついたのか。それは日本の創作家の多くが辿り着く枯淡とは、また別の境地だった。それは、淡彩ではあるけれども、どこか混乱を怖れぬ覚悟だろうか。

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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。