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英語で考えて、研究員応募書類を書くのは、私には無理だった。なさけないが、できないものは仕方ない。

 私の英語がひどいのは、よくわかっていた。
 ただ、これほどまでに力がないと突きつけられたのは、コンセプトペーパーを書こうとしてからだった。

 業績書(CV)や特別研究員申請書は、本もあるし、ネットでテンプレートを探せば、周囲の助けを借りればなんとかなる。ところが、コンセプトペーパーをいきなり英語で書こうとしたら、本当に月並みな考えしか浮かんでこない。
 はじめは、研究員として、やりたいことがよくわかっていないからだと考えた。ところが悪戦苦闘するうちに、これは英語力の問題ではないかと気がついた。仕方ないので、日本語で書いた。すらすらとはいえないが、少しはましなコンセプトペーパーが書けた。

 当時は、日本語からドイツ語の通訳付で講演会を一、二回やることができればいいと思っていた。通訳がいるとしても、このありあさまでは、どうにもならん。とりあえず、ネットで近所の英会話学院を探した。ジムと英会話は、近くないとダメ。行かなくなるのは、目にみえていますからね。

 とはいえ、この英会話学院に行くことさえも、ためらわれた。ちゃちなプライドと笑わば笑え。面接に自信がなかった。私は、おもむろにNHKの『ラジオ英会話 ハートでつかめ! 英語の極意』(おすすめします)のテキストを購入し、ネットで録画を聞きつつ、勉強をはじめた。4月から5月の出来事だった。

 無事? というべきか、少し耳が慣れたので、本郷三丁目のラウル英会話学院を訪ねた。プライベートレッスンが希望だったので、上級、中級、初級とクラス分けされるわけではないが、学院長のインタビューがある。

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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。