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文化の世界を救うために

 刻々と事態は変化しています。特に経済状況の急変は、深刻です。多くのフリーランスの演劇人が、劇場の閉鎖によって大きな影響を受けています。

 翻訳家の木内宏昌さんが、友人の庭山さんの翻訳をFacebookにのせています。

 木内さんのご友人・庭山さんの投稿からシェアされた文章です。

ドイツの文化メディア大臣による、昨日3月11日発出の声明です。慶應大学粂川教授による翻訳。

コロナウィルス ー 文化大臣、文化施設と芸術家に支援を約束
「自己責任のない困窮や困難に対応する」(グリュッタース文化相)
プレスリリース89号
2020年3月11日(水)
連邦政府報道情報局(BPA)
コロナウィルスによる文化的イベントの中止および明らかな来訪者減少を鑑み、モニカ・グリュッタース文化大臣は文化施設と芸術家の支援を決定した。「現在の状況が文化と創造にかかわる経済にとって、とりわけ、小規模の文化施設とフリーランスのアーティストの方たちに、深刻な逼迫をもたらしかねないことは理解しています」(グリュッタース文化相)
連邦政府における文化とメディアに関する責任者である同大臣は、政府の支援を受けている文化施設に対し、ローベルト・コッホ研究所の報告を指針とするように推奨した。また、そうすることで、大規模なイベント、特に閉ざされた空間で開催されるものは、中止するべきであり、他方、小規模な催事は、個々の条件を鑑みて、実行に十分な責任が負えるかどうかを、各自で判断することになるとした。
「われわれは、しかし、現在の状況にあって、文化は良き時代においてのみ享受される贅沢品などではない、と認識しています。ある一定期間、文化活動を諦めなければならないとすれば、それがどれほどの喪失であるかも、われわれは理解しています」とグリュッタース文化相は語る。「それでもなお、私たちが文化イベントの中止を要請しなければならないとすれば、それは目下の状況がきわめて異常な緊急事態であるためなのです」
グリュッタース文化相は続ける。「芸術家と文化施設の方々は、安心していただきたい。私は、文化・クリエィティブ・メディア業界の方々の生活状況や創作環境を十分に顧慮し、皆さんを見殺しにするようなことはいたしません! われわれは皆さんのご不安をしっかり見ておりますし、文化産業とクリエイティブ領域において、財政支援や債務猶予に関する問題が起こるようであれば、個々の必要に対して対応してまいります。」
同大臣は、政府内において、救済措置に関する懇談会に文化・メディア業界の代表者たちを招くことも提案した、とも語った。「われわれは、自己責任ではない困窮や困難に対応し、これを救済しなくてはなりません。これは、経済的な救済であるだけなく、中止・キャンセルによって激しく揺さぶられている文化の世界を救うことでもあるのです」とグリュッタース大臣は語った。

 日本の文部科学省大臣がこのような発言をするなどというのは、夢のまた夢。想像すらできません。

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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。