8月の東京芸術劇場の豊かさ。劇場の栄枯盛衰について。
24日の夕方、東京芸術劇場のシアター・ウェストで『天守物語』を観た。開演前、少し時間があったので、イキウメの制作中島さんとB1のピロティですれ違って立ち話をした。少し用があったので、ノダマップの広報伊藤さんに連絡をとって、また、少し話した。
考えてみると、この日は、プレイハウスではノダマップの『正三角関係』、シアター・イーストでは、イキウメの『奇ッ怪』、ウェストではPRAY+篠井英介の『天守物語』が公演中だった。もちろん偶然ではあるけれども、魅力ある公演がひとつの劇場にひしめいていた。
すべてが芸術監督の野田秀樹さんの手柄だとは思わないが、かつては冴えなかった池袋の劇場で、今、有力な演劇人が芝居をやりたいと思っているのは、なかなか凄いことのように思える。
劇場にも栄枯盛衰があるのを経験してきた。今はもうない駒場小劇場やベニサン・ピットや銀座セゾン劇場には思い出が多い。そう考えると、劇場もまた、風がいつも吹き抜けている四つ辻のように思えてくる。
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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。