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長谷部浩の俳優論。

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歌舞伎は、その成り立ちからして俳優論に傾きますが、これからは現代演劇でも、演出論や戯曲論にくわえて、俳優についても語ってみようと思っています。
劇作家よりも演出家よりも、俳優に興味のある方へ。
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2021年4月の記事一覧

【劇評218】南北、郡司学、仁左衛門、玉三郎、奇跡の巡り会い、ふたたび。

【劇評218】南北、郡司学、仁左衛門、玉三郎、奇跡の巡り会い、ふたたび。

 歌舞伎では、一座を代表する女方を、畏敬もって立女方(たておやま ルビ)と呼ぶ。

 六代目歌右衛門、七代目梅幸、四代目雀右衛門、七代目芝翫は、歌舞伎座の立女方にふさわしい威光を放っていた。玉三郎は、歌舞伎座のさよなら公演のあたりから、その名に、ふさわしい存在だと私は思っていた。

 詳しい事情はわからないけれども、いつの間にか、特別舞踊公演などの独自の公演が増え、重い演目の役を勤める機会が少なく

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