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本棚に人生がある。

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思えば、本ばかり読んでいた。幼い頃からひとりの時間が多かったので、他にすることがなかったからで、こんな人生になってしまった。けれど、もちろん後悔などない。今日も、明日も、明後日も…
短くてサクッと読める本についてのよしなしごとを書いていきます。ぴしっとした書評、のんびりした随想が…
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#歌舞伎

永井紗耶子の『木挽町のあだ討ち』は、芝居町の人々の生をひととき輝かせる。

 すでにお読みになった方も多いと思う。  永井紗耶子の『木挽町のあだ討ち』は、「藪の中」…

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長谷部浩
1年前
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ドナルド・キーンの食卓

「演芸画報」以来の長い歴史を受け継いでいた「演劇界」という雑誌があった。 その題名とはう…

長谷部浩
1年前
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雑誌「演劇界」が休刊となる。その残酷に身がすくむ。

 雑誌「演劇界」の休刊が決まった。  頻繁に寄稿していた時期があるので、突然の報を聞いて…

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長谷部浩
2年前
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勘三郎に帰ってきてほしい。今すぐこの世に。

 長引く病に沈んでいる。  まったく社会的な生活を遮断する訳にもいかない。以前から約束し…

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長谷部浩
2年前
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勘九郎と勘太郎が踊る『連獅子』によせて。泉鏡花の小説から。

 勘九郎と勘太郎が踊る『連獅子』は、親子ならではと思う。十八代目と勘九郎、十七代目と十八…

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長谷部浩
3年前
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『昭和の映画絵看板 看板絵師たちのアートワーク』。精魂を込めた絵師、絵描きの情熱…

 絵看板という言葉には、独特の魅力がある。   江戸時代のように宣伝媒体が限られていた時…

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長谷部浩
3年前
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新シリーズ『本棚に人生がある』。『鏡獅子三代』など、勘三郎をめぐる四冊。

長患いのために、更新が滞っていたが、徐々に復帰しますので、どうかご容赦いただきたい。新シリーズ『本棚に人生がある』と題して、読書と本の周辺についての雑記をお届けします。何を読もうかな、迷ったらご参考にどうぞ、お楽しみに。  必要があって、十八代目中村勘三郎の周辺の本を、集中的に読んでいる。  ユニークなのは、NHKの山川静夫が企画した『鏡獅子三代』(日本放送協会 昭和二十二年)。九代目團十郎、六代目菊五郎から十七代目勘三郎、そして十八代目に伝えられた『春興鏡獅子』を科学の目

¥200