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尾上菊之助の春秋 その壱 春

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尾上菊之助さんの話題が中心のマガジンです。筆者の長谷部浩は、『菊之助の礼儀』(新潮社)を以前、書き下ろしました。だれもが認める実力者が取り組む歌舞伎、その真髄について書いていきま…
有料記事をランダムに投稿します。過去の講演など、未公開の原稿を含んでいます。アーカイヴが充実すると…
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#御園座

【劇評183】深まる秋。菊之助、踊り二題に遊ぶ。

【劇評183】深まる秋。菊之助、踊り二題に遊ぶ。

 御園座で行われていた『錦秋御園座歌舞伎』の千穐楽、十八日に日帰りで行ってきた。台風などさまざま理由が重なり、ついに見逃すのかと残念に思っていた。
 このプログラムの構成について、考えるところががあり、すでにこのNOTEにも、『京鹿子娘道成寺』ではなく、なぜ『鐘ヶ岬』なのか。『春興鏡獅子』ではなく、なぜ『連獅子』なのかを書いた。実際の舞台を観て、その実質を確かめなければと思い、なんとか見ることが出

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菊之助は、なぜ、『京鹿子娘道成寺』ではなく『鐘ヶ岬』を名古屋で踊るのだろう。

菊之助は、なぜ、『京鹿子娘道成寺』ではなく『鐘ヶ岬』を名古屋で踊るのだろう。

 『春興鏡獅子』とならんで、『京鹿子娘道成寺』は、音羽屋菊五郎家の表芸である。

 玉三郎との『京鹿子娘二人道成寺』で、地芸を培ってから、ひとりで『京鹿子娘道成寺』を出してからの進境は、菊之助が、歌舞伎舞踊の頂点に立つべき役者だと示していた。

 今回、名古屋御園座公演で、『京鹿子娘道成寺』ではなく『鐘ヶ岬』を踊ると聞いて、いぶかしく思った。

 『京鹿子娘道成寺』には、所化が二十人ほど出演する。

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菊之助は、なぜ              
            『春興鏡獅子』ではなく、『連獅子』を名古屋で踊るのだろう。

菊之助は、なぜ 『春興鏡獅子』ではなく、『連獅子』を名古屋で踊るのだろう。

 『連獅子』を見るたびに、思うのは、役者であることの業なのだった。

 同じ石橋物でも『春興鏡獅子』は、九代目團十郎と六代目菊五郎が練り上げた品格を感じる。舞踊として自立しているがゆえに、役者と踊りが正面から向かい合っていると感じる。

 ところが、『連獅子』は、親と子、師匠と弟子、同門のライバルなど、年齢や技量に差があっても、競い合いの要素が強い。

 獅子は生まれた子供を千尋の谷底に突き落とし

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歌舞伎の大立者たちは、どう動くのか。

歌舞伎の大立者たちは、どう動くのか。

菊之助の動向が気になる。

三月、新橋演舞場での公演が中止になって以来、歌舞伎の舞台には立っていない。

今日はいってきたニュースは、十月名古屋御園座への出演である。これも、十月歌舞伎公演、出演菊之助とあるだけで、共演者も演目も明らかにされていない。

また、九月に関しては関係者の話によると、歌舞伎座に出演とのことである。ただ、近年、九月は吉右衛門を中心とした秀山祭とされていたが、今回はどうなるか

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