菊之助の『義経千本桜』の通し。知盛、権太、忠信。どれを観る? すべて観る?
『義経千本桜』の通しと聞くと、忘れられない想い出があります。
二○○一年に、中村勘三郎(当時、勘九郎)が隅川河畔で上演した『義経千本桜』と浅草がふっとわきあがてきます。。
この古典歌舞伎の代表的な狂言を、勘三郎は、平成中村座で、知盛編(渡海屋、奥座敷、大物浦)、権太編(椎の木、小金吾討死、鮨屋)、忠信編(道行、川連法眼館)の三部に分け、交互上演しました。
知盛、権太、忠信は、歌舞伎でいう「仁」に隔たりがあり、ひとりの俳優が演じ分けるのは困難であると考えられていたの