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折れず腐らず、淡々と続ける

高円寺の銭湯『小杉湯』で開催している『パパママ銭湯』ですが、順調に開催が続いておりまして、無事に第7回目が終わったところで振り返り。

9月時点での振り返りはこんな感じ。

どういうイベントかというと、11時〜13時の間を『パパママ銭湯』タイムとしていただき、通常営業と並行して子連れ歓迎の銭湯タイムを設けて、現役パパやママ、保育士や保健師などのスタッフがパパママの入浴をサポートする、というものです。ありがたいことにNスタ(TBS)や未来スイッチ(NHK)といった番組で紹介していただけて、一時はゼロ(!!)だったこともあった参加者も、今ではスタッフを増員しなければいけないほどになりました。

最初は「自分が子供と銭湯に入りたい」という小さい欲望だったものが、だんだんと周りに助けられ、「この日を励みに毎日子育てしています」と言っていただけるようになって、本当に感無量なのですが、ここはバランスが難しいところでもあり。

目指しているのは、普段の生活の中に赤ちゃんや子育て世帯が自然となじむ風景で、泣いている赤ちゃんをみんなが当たり前に受け入れ、育てている人たちを孤独にしない、という状況づくりです。

それって本来、企画して準備して提供する、というよりは、当たり前にそこにあってほしいものなのですが、当事者として、まだまだそこまでは遠いなあと思うことがあります。それは子育て当事者が遠慮しすぎているのかもしれないですし、自分の身内以外の乳幼児に触れる機会があまりにも少ない現状の裏付けなのかもしれないなあと思ったりします。

小杉湯はとても理解ある銭湯なので、開店前の時間をパパママ銭湯で貸し切りさせてください、と頼めば実現できたかもしれません。子供連れだけで隔離して、のんびりお風呂に入れる、気楽な企画にもできました。でも、それはやっぱり違うなと思っていて、通常営業の、ふだんのお客さんもいる中で、子連れが遠慮しすぎることなく、もちろん気づかないことは指摘してもらいながら、一緒に共生していく場を作っていきたいなと思っています。

イベントの開催回数と参加人数を踏まえると、驚くほどトラブルは少ない(ほぼ皆無)のですが、それでも「うるさいわね」とか「邪魔!」と言われることは、ゼロではありません。それもそうで、他のお客さんはのんびりしたくて銭湯に来ているのに、赤ちゃんが泣いていたら反射的に「うるさい!」と思ってしまうのは仕方がないわけです。

でも、そこで折れて萎縮してしまうのも、やっぱり何か違うな、と思うのです。みんな昔は赤ちゃんで、これから育っていく赤ちゃんは、これからの世界をつくっていく担い手です。みんな誰かに迷惑をかけて大きくなったし、逆に育った子供たちのお世話になる日が来るかもしれない。だったら「おたがいさま」の精神で、一緒にうまくやっていけませんか、と思うのです。

さまざまお叱り(愛のあるお叱り含む)を受ける中で、それでもやっぱり続けていこうと思うのは、どうしても「赤ちゃんや子供の存在が当たり前に受け入れられ、子育て者が孤独にならない世界」をつくりたいから。それはわたし自身のためでもあり、同じように子育てをする保護者たちのためでもあります。

テレビのニュースで取り上げられて、正直すごく嬉しかったです。自分たちの取り組みを理解して、応援してくれる人が増えたのも、本当に嬉しいです。でも同時に、広く届くということは、そのぶん同じだけの反発も受けることになりえます。

反発を無視せず、なぜそういう言葉をいただいたのかをしっかり受け止め、どうやったら全員が幸せに、平和に共生できるかを考え続ける。わたしはこういうイベントは継続が何より大切で、絶対にやめないこと、何があっても「どうやったら続けられるか」だけを見ることが重要だと思っているのですが、それは同時に「常に自分の心を開き続け、受け入れるスタンス」を問われることになるので、なかなかハードな試みでもあります。

それでも続けられるのは、やっぱり参加者みなさんのいい笑顔だったり、手伝ってくれるスタッフの嬉しい言葉だったりするので、なんというかまあ淡々と、粛々と、今後も末永くやっていけたらいいなあと思ったりしたのでした。

パパママ銭湯は毎月第3日曜日、高円寺駅から徒歩5分の『小杉湯』で11時〜13時に開催しております。男湯、女湯それぞれにスタッフが待機しているので、0歳の赤ちゃんから小学生のお子さんまで、楽しくのんびりお風呂に入って、ほかほかの身体で帰っていただけるイベントです。興味がある方はぜひ公式ツイッターまでリプライ・DMなどご連絡いただければ幸いです。

これからもがんばるぞ!

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