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「おかしな人間の夢」ドストエフスキー

おかしな人間の夢
ドストエフスキー,安岡治子訳
1877年

(2021/7/15読了)
虚無感にとらわれた男性が見た夢を中心とした短編。

夢の中ではあるが別の宇宙へ向かう描写は非常に興味深い。
別の宇宙の地球は完璧な善世界ではあるが停止したような世界。
男性が観測者として降り立ち干渉したことにより何かを動かしてしまう。動き出した世界は止まらず様々な色が混ざり合っていく。

目覚めるところまで一気に没入。
読了後考えさせられることは少なくないが、物語として刹那的に味わうにも最高な作品だった。

メモ
整頓された世界から混沌とした世界へ=エントロピー増大=不可逆


悪霊のキリーロフ、カラマーゾフの兄弟の悪魔の小話とも通じるとのこと(解説より。どちらも未読なので読む時には思い出したい)

この作品のあとに最後の長編、カラマーゾフの兄弟が書かれることになる。

あえてラストシーンには触れず。そこはあまり考えずに次に進みたいからというのもあるかも。

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