「スペードのクイーン」プーシキン
スペードのクイーン
プーシキン, 望月哲男
(2021/7/24読了)
1834年。
老伯爵夫人の秘密を得ようと若いリザヴェータに偽りの恋の手紙で近づくゲルマンの末路。
短編ながら厚みがすごいと感じた。といっても重々しくもなく読んでいて楽しい。
物質世界において二つの物体が同一の空間を占めることが不可能であるのと同じく、精神世界においても二つの固定観念が共存するのは不可能である。
こういったインテリジェンスな文章を差し込んでこられると、一気に好きになりがちです。直後に幽霊出てきますが。
★読了メモ
初プーシキン
率直な感想としてすぐ感じたのは常軌を逸した人がいなかったこと。とはいえ幽霊は出てきたからどこに境界を置いているのか自分でも良くわかっていないけど…
(ドストエフスキーとゴーゴリはその曖昧な境界線を越えすぎていて驚く)
品を感じた作品でした。
しかし訳者の方の書き方でも変わるし今回受けた印象はとりあえず保留として次はベールキン物語に行くとします。
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