ガウディー展に行って

ガウディー展、観て来ました。
会期末ということもあって世代問わず、来館者が多かったですね。建築の展覧会にしては、女性が多くそこかしこでガウディの建築に対して可愛いという感想が聞こえました。
数年前に現地でサクラダファミリア、グエル公園、カサ・ミラなど観て圧倒された記憶がありましたが、その独特の造形や何とも言えない愛らしさはどのように生み出されるのか理解できなかったのが正直な感想でした。
今回の展覧会の解説や展示作品を通してガウディの建築には、構造の明解さと多種多様な人間とともに変化し続ける空間の曖昧さが共存してると感じました。
色々な人種、性別、立場の人々をキリストの愛で大らかに包み込む。その場に相応しい空間としてロマネスクやゴシックの様な完全性でなくて、時に愛らしさも感じられるデコボコしたり、ウネッてたり、今にもまた違う形に変容しそうな不完全性が真に相応しいと考えたのかもしれません。
その不完全さを構築するために放物線の構造を地道に追求するという非常にロジカルだったり工学的な一面もあったというのも魅力的です。完成しない、常に変化する建築だからこそ100年以上の時を経ても日本を含む世界中の人に愛されるのかもしれませんね。ガウディを観て改めて「人のことを想う」ことが建築の出発点だと勉強になった時間でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?